北村薫
40歳目前、文芸雑誌の副編集長をしている“わたし”。 元来負けず嫌いで、若い頃は曲がったことには否、とかみついた性格だ。だがもちろん肩書きがついてからはそうもいかず、上司と部下の調整役で心を擦り減らすことも多い。 一緒に住んでいた男とは、……3年…
<ベッキーさん>シリーズ第3弾。 「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」どれもよかったです。 ベッキーさんとの出会いから早三年以上、言葉には出さない部分も多いけれどお互いをよく分かっているなと思いました。 英子の危機を救う場面はヒヤリとしまし…
<ベッキーさん>シリーズ第2弾。前巻から1年後、英子の周りではまだそんなに感じられないものの、時代の暗さが着実に増してきています。 「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」を収録。 読み進むにつれて謎だったベッキーさんの過去が少しずつ明らかになって…
『街の灯』『玻璃の天』『鷺と雪』で完結した三部作の第一作目です。舞台は昭和初期の東京。 帝都という言葉が何度も登場しますが、この響きだけで昭和の香りがします。 主人公の花村英子は上流家庭に生まれたお嬢様で贅沢な暮らしをしています。 英子はもち…
(306) 図書館で予約していたのがやっと回ってきました。 以前本プロでも皆さんのUPが続いていて興味があったこの本。 なんとなく悲しい話なんだろうなと思っていましたが、それだけではなく女性同士の固い友情や、夫婦や親子の関係、病気など色々考えさせ…
(183) 空想癖がある金持ちの男が作家の作られた物語を読むよりも市井の人達の実際あった不思議な体験を聞きたいと、新聞や雑誌で語り女を募集して話を聞くという物語。17人の女性が登場して話をしていくのですが、それぞれかなり独特で不気味なのもあり、…
(22) 時と人三部作の3冊目です。 半分くらいまではなかなか読み進めなくて、『ターン』の方が面白かったと思っていました。 山あり谷ありというよりは淡々としていたので。それぞれの登場人物がどう結びついていくのか疑問だったけれど、だんだん謎が解けて…
(20) 時の三部作として有名なシリーズの2作目です。 『スキップ』は何年か前に読んだけれど、こちらの方が印象に残りました。二人称で語られているので、この語りかけてる声は何?と思い、なかなか最初はなじめなかったです。 でも、読み進めるうちに内なる…