はぴの本棚

2003年からの読書日記

とびらをあければ魔法の時間 (新・童話の海)作者: 朽木祥,高橋和枝出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2009/07/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (4件) を見る

>日ぐれまえの、空気の色までちがってくるような、ふしぎな時間。


「すずめいろどき」という言葉は初めて聞きました。

朽木さんの「かはたれ」の言葉もそうですが、日本語って繊細で素敵な表現がたくさんありますね。



バイオリンを習っている主人公のわたし。
メヌエットを2カ月以上も練習し続けているのになかなか上達しないのが悩みの種です。
レッスンに行きたくなかったわたしは電車で小さな無人駅に降りて時間をつぶすことに・・・


そこで見つけたのがすずめいろ堂というお店。
本屋さんのようなのに人は誰もいなくてとても不思議。
陶製の白い犬(動くんです!)が番をしています。
お店の名前にもなっているように陶製のすずめがちゃんと犬の手の上のお皿に載っているのもかわいい。


読みながら子どもの頃ピアノを習っていた頃の記憶が蘇ってきました。
なかなか上達しなくて嫌だった気持ち・・・あったあった!
レッスン日は行きたくなかったけれどサボるほどの勇気はなく(笑)
そんな時、私もすずめいろ堂に行ってみたかったなあ。


あまりに大きい動物は困るけれど、本物が飛び出す本って夢があって素敵ですね。
私がお店で本を選んだら何が出てくるんでしょう?
主人公が探していたのはやっぱり音楽の本だったようです。


本から不思議な力をもらってもう一度バイオリンを頑張ってみようと思えるようになったのはよかったです。
絵は一か所以外モノクロなんですが、唯一のカラーページが明るくてとても印象的でした。
音符のちょうちょ、見てみたいです。


わたしがスランプを乗り越える日は近いはず。
著者の優しいまなざしにとても好感が持てる物語でした。