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2003年からの読書日記

獣の奏者 I 闘蛇編作者: 上橋菜穂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/21メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 127回この商品を含むブログ (171件) を見る

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「守り人」シリーズ途中ですが気になっていたこちらを先に読みました。

冒頭から惹きこまれてしまい、夢中で読み終わりました。
Ⅱの王獣編を読む前の時点だけれど星5つの気分。
とても充実した読書になりました。
上橋さんの物語、やっぱり好きです。

主人公は10歳の少女エリン。
闘蛇衆の村で獣ノ医術師の母と暮らしていましたが、戦闘用の闘蛇が一度に死んでしまうという事件があり、その世話をしていた母が責任を取らされることになります。

エリンの運命は最初から過酷で辛いものでした。
物語の序盤、母親との悲しい別れのシーンは読んでいてとても辛かったです。
母の思い、エリンの思いが伝わってきて涙がジワリと出てきました。
大罪と言われるほどのことをしてまでエリンを救った母。

救われたとはいえ、エリンは母と引き離され天涯孤独の身になり、心にはとても大きな傷を抱えてしまった・・・

だから蜂飼いのジョウンに助けられたのは本当に幸運だったと思います。
ジョウンとの暮らしに慣れてもずっと敬語を使い続けたエリン、母と引き離された経験がそうさせたんですね。
いつか別れが来る時のために自分を守る術とはいえ、とても切なかったです。

ジョウンと暮らしている時、偶然野生の王獣と出会ったのをきっかけにエリンは魅せられ、運命が大きく動き始めます。
王獣の医術師になろうと決意したエリンはジョウンの計らいでカザルム王獣保護場で学ぶことになります。
幼い王獣の世話を任されたエリンは・・・

上橋さんの物語はどれも現代につながる部分を感じます。
国のため人に捕らえられ利用される獣たち、政治も絡んできてⅡの王獣編ではさらに複雑に展開しそうな予感がします。
真王対大公の関係もますます気になるし、今後エリンの運命がどうなっていくのか目が離せません。

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まゆ > まっすぐに生きているエリンの姿がとても好きでした。上橋さんの描く人物にはとても心ひかれるものがあります。 (2007/07/08 16:49)
トントン > まゆさん、エリン素敵でしたね。守り人シリーズも好きですがこちらの登場人物も魅力的で好きになりました。王獣編、着々と読み進んでいます^^ (2007/07/09 14:58)