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2003年からの読書日記

かるいお姫さま (岩波少年文庫 (133))作者: ジョージ・マクドナルド,アーサー・ヒューズ,脇明子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/09/17メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (8件) を見る

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マクドナルド作品。
この方、ルイス・キャロルと親交があったり、『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイスに影響を与えたなどすごい人なんですね。

昔話みたいな感じなんだけれど、とても独特な物語の世界です。
表題作の他に「昼の少年と夜の少女」が収められています。

「かるいお姫さま」
魔女に呪いをかけられて重さのなくなったお姫さまの話。
体の重さだけでなく頭(精神)の重さもなくて、何に対しても笑ってばかり・・・という。
想像するとちょっと怖いですね。
水の中にいる時だけ本来の自分に戻るというのが不思議でした。
重さを取り戻すためには愛が必要というのは昔話ではお約束なのかも。

「昼の少年と夜の少女」
魔女の城で別々に育てられた少年と少女。
少年は昼しか知らず、少女は夜しか知らないでそれが唯一の世界でした。
少年は夜の闇が恐ろしく、少女は昼の光が恐ろしい。
ある時、少年と少女が出会います。
互いに新しい世界があると知った二人。
自分の親しんでいない世界が怖いのは同じなのに、少年は自分勝手で頼りないところがあるのに対して、少女の方が芯が強く勇敢で賢い感じがしました。
最後まで魔女が二人をこういう風に育てた狙いが謎でしたが、幻想的な雰囲気に浸れて楽しめました。

また独特な比喩の表現が素晴らしいなと感じました。
>〜胸の中で心臓が灰になり、血管を流れていた血がミルクと水になったような気がする〜

>少女の指は、まるで草を食べる羊たちのように、うれしそうに鍵盤の上をさまよい歩きました。

>夜風は、まるで魂を酔わせる不思議なお酒のように、少女の体を純粋な喜びで満たしました。

などなど素敵な文章ばかりでうっとりしてしまいました。

他のマクドナルド作品も読んでみたいと思います。

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キイロイトリ > トントンさん、こんにちは♪このお話、「ふんわり王女」の方で読んだのですが、「昼の少年と夜の少女」は収録されてなかったのですが、おもしろそうですね!比喩の表現、ステキですね♪ (2005/11/14 14:12)
ぱせり > 昔話みたいな感じなのに、独特な感じ。不思議なロマンチックなお話でしたよね。「昼の少年と夜の少女」も、幻想的な感じで好きでした。わたしも他のマクドナルド読んでみたいです。「ふんわり王女」のほうもぜひとも見てみたいものです。 (2005/11/14 15:37)
トントン > キイロイトリさん、こんばんは♪「昼の少年と夜の少女」とても幻想的な雰囲気の物語でした。マクドナルドさん独特の比喩が素敵ですよ。ぜひ読んでみてくださいね。
>ぱせりさん、マクドナルドさんの作品は初めてだったのですが、この雰囲気好きだなあって思ってしまいました。私も他の作品や「ふんわり王女」も読みたいなと思ってます! (2005/11/14 23:04)
カルミア > 私もこのお話読んでみたいです! 本プロでたくさんのかたマクドナルド読まれていますね。マクドナルド・ブームみたい(笑) 『北風のうしろの国』を読みました(また違う訳で出ました)。 (2005/11/15 19:06)
トントン > カルミアさん、こんばんは♪まさにマクドナルド・ブームですね。じわじわきてる感じがします^^『北風のうしろの国』もぜひ読みたいです! (2005/11/15 21:39)
nanao > 「昼の少年と夜の少女」、面白そうですね。
少年が頼りないというのが興味をひきます。 (2005/11/21 23:51)
トントン > nanaoさん、「昼の少年と夜の少女」機会があれば読んでみてくださいね♪少年が頼りなく感じたのは少女と比べてなんです。昼と夜の違いはあっても一つの世界で生きてきたのに、少年は自分勝手でなんだか頼りない感じで・・・それだけ女性が強いってことなのかな?とも後で思ったりしました。 (2005/11/22 22:09)