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2003年からの読書日記

虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)作者: 上橋菜穂子,佐竹美保出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2001/07/13メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (42件) を見る

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今回の主人公はバルサではなく、新ヨゴ皇国の皇太子チャグムと星読博士シュガ。
新王の即位の儀に招かれサンガル王国へ出かけます。

サンガル王国にもナユグと似たナユーグルという別の世界があると信じられていて、ナユーグル・ライタという民が住んでいると言われています。
<ナユーグル・ライタの目>にされてしまった少女は、丁重にもてなされた後、海に落とされ殺されてしまうというのです。

ちょうど新王即位の儀に合わせたように<ナユーグル・ライタの目>が見つかり、目にされてしまった少女エーシャナが祝いの席に連れてこられます。
過去に精霊の卵を産み付けられ殺されかかったことのあるチャグムは、自分と重ねてその少女をどうしても助けたいと思うのですが・・・

祝いの席で新王は傷つけられ、即位の儀は台無しに。
陰謀が密かに進行していることを感じたチャグムとシュガの活躍が始まります。


他国から招かれた皇太子のチャグムなので思うように動けず、焦ったり無力感に沈む様子が痛いほど伝わってきました。

自分のできる限りは何かしたいと頑張る姿は素敵だと思ったし、皇太子としての難しい立場もちゃんと理解しているチャグムの成長を感じました。
シュガも時に熱くなりがちなチャグムにブレーキをかける役目をしていて、二人は本当に絶妙なコンビだなと思いました。

バルサは登場しませんが、チャグムの心の中にはいつもバルサの教えが生きていて、読んでいるこちらもなんだかうれしく思いました。

結末もとても印象に残るいいセリフがあり、大好きです。
この旅を終えたチャグムの決意が述べられるところです。
清々しい風が吹いてきたような気持ちになりました。
未読の方にはまっさらな心で読んで欲しいので引用せずにおきます。

この巻から絵が佐竹美保さんになってます。
巻を追うごとに面白さが増して、ますます目が離せなくなってきました。
ずっと追いかけていきたいシリーズです。

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ときわ姫 > 大好きな巻です。魅力のある人がたくさん出てきますが、サンガルの女性陣が特に好きです。非情なことも出来るカリーナに、為政者とはどういうものかと教えられました。 (2005/09/21 09:25)
すもも > 読み進めていくうちに、どんどん世界が広がっていく気がします。将来、文庫化して欲しいシリーズでもあります。 (2005/09/21 16:26)
まゆ > バルサが好きなので、「え〜、出てこないの〜」と思いつつ読み始めたのですが・・・おもしろかったです。チャグムの成長がうれしいです。 (2005/09/21 19:26)
three bells > 上橋さんのたくましい女性像がステキですよね。手元に無いので確認できないですが旅人シリーズの挿絵は佐竹さんだったような…シュガが登場男性部門トップで好きです。 (2005/09/21 22:59)
トントン > ときわ姫さん、サンガルの女性達強くて素敵ですよね。カリーナには圧倒されましたが、ときわ姫さんもおっしゃっているように為政者とはそういうものなのかもしれないと思いました。
すももさん、ますます面白く深い世界になってきてますよね!文庫化同感です。いつになるか分かりませんが楽しみに待っていたいと思います。
まゆさん、私も最初「バルサが登場しないからどうかな?」と思っていたんですがすごく面白かったです。チャグムの成長が著しかったですね。
three bellsさん、本当にこのシリーズに出てくる女性達はたくましくて強いですよね。ほれぼれしてしまいます。シュガ私もこの巻で一気にファンになりました。挿絵のことも教えていただいてありがとうございます。旅人シリーズの挿絵は佐竹さんで守り人シリーズはこれまでの二木さんということですね。 (2005/09/22 13:13)
北原杏子 > トントンさんも高評価ですね♪ この続き、早く読みたいですよねえ。ほんと、これも早く文庫化されればいいですね。児童書の文庫化、ノベルズ化よくありますが。もっとファンが増えるかもしれません…ハードカバーということで二の足踏んでる友人がいたんで…その背をおすためにもね。 (2005/09/23 00:38)
トントン > 北原杏子さん、このシリーズどんどん面白くなってきましたね♪たしかにハードカバーで巻数が多いと二の足踏んでしまいますよね。文庫化されたらもっと色んな人に読まれる機会が増えるだろうと思います。ほんと待ち遠しいですね♪ (2005/09/23 22:11)
bamu > バルサがでてくるシリーズも好きですが、チャグムのほうもなかなか楽しかったですよね。
「蒼路の旅人」のほうもよかったですよ。
チャグムの旅人シリーズになりそうですね。
(2005/09/30 07:58)
トントン > bamuさん、こんばんは。バルサが登場するのとはまた違って楽しく読めました!残るは『神の守り人』の2冊と『蒼路の旅人』です。楽しみなんだけど読み終わるのが惜しい気もします。 (2005/09/30 21:40)
nanao > チャグムの成長は楽しみですね。
私も早く守り人シリーズが読みたいです。 (2005/10/01 07:16)
トントン > nanaoさん、「守り人」シリーズからチャグムを見守ってきた感じなので、この巻は彼の成長がとてもうれしかったです。これからもずっと追いかけていきたい作品ですね♪ (2005/10/01 22:11)