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2003年からの読書日記

薄紅天女作者: 荻原規子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1996/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 47回この商品を含むブログ (49件) を見る

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勾玉三部作の3冊目ですが、他2冊を読んでいなくても十分楽しめると思います。
主人公は坂東の地で双子のように育った同い年の阿高と藤太。
甥と叔父の関係にあたるが、仲良しでどこへ行くのもいつも一緒。
そのため二連と呼ばれ、武蔵の中でも注目を集めてしまう二人でした。

だがある夜、蝦夷達がやって来て阿高に驚くべきことを告げます。
あなたは火の女神(チキサニ)の生まれ変わりだと。
母のことを知りたい阿高は藤太と仲たがいをしたこともあり、蝦夷についていく決意をしたのですが・・・
藤太と仲間たちは阿高を探しにきたという坂上田村麻呂と一緒に行方を追います。

その頃、都では物の怪が出るとうわさされ、皇太子が病に侵されていました。
兄を救いたいと立ち上がる皇女苑上。


面白かったです!
ときわ姫さんやあしかさんを見習って、途中から登場人物を調べながら読みました。
坂上田村麻呂蝦夷藤原薬子更級日記などちらりと調べたくらいですが、歴史上の事実がなんとも絶妙に絡み合っていてうまいと思いました。

阿高と藤太の関係がいいし、広梨と茂里達との友情もよかったです。
読んでいるうちに、なぜか指輪物語ホビット達を想像してしまいました。
阿高と藤太がフロドとサムで、広梨と茂里がメリーとピピン
指輪も勾玉も力のある道具だというのも似ている(指輪は悪の力のものだけど)
指輪を捨てる旅に出るので勾玉とは違うかもしれないけれど、面白いなと思いながら読みました。

すももさんをまねして三部作を勝手にランキング。
あくまで私の好みです(どれも面白いのでほとんど順位の差はありません)

1位 空色勾玉 初荻原さんでインパクト大だったからかな?
2位 薄紅天女 期待以上だったので
3位 白鳥異伝 これも好きですが・・・

荻原さんのファンタジーはすごくいいですね。大好きだと改めて思いました。
いつになるか分からないけれど、次は『風神秘抄』を読みたいです。
これからも夢中になれる作品を楽しみにしています。

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あさがお > 勾玉シリーズは本当に面白いですよね!!読み始めると止まらなくて、徹夜して読んでた記憶があります。おかげで日本史の授業が大好きになりました(笑)でもトントンさんの感想見てたら、すっかり内容を忘れてることが発覚!近々読み直してみます♪ (2005/07/08 15:27)
ときわ姫 > トントンさんの日記を読んで、やっぱりこのシリーズを手元に置きたい気持ちがどんどん強くなってきました。まず置き場所を確保しよう! (2005/07/08 17:19)
まゆ > いつか再読して感想をアップしようと思いつつ、ずっとそのままになってました。三部作はいずれも好きですが、これが一番印象薄いんですよ。早く読み返さなきゃ。 (2005/07/08 21:24)
トントン > あさがおさん、たしかに徹夜で読むほどのめり込める本ですよね。私はこの三部作、大人になって本プロで知ったので、学生の頃読んだらきっと歴史大好きだっただろうに・・・とちょっと残念に思います。何度も読み返したい本ですね!
ときわ姫さん、シリーズ集めると結構場所もとるし、高価ですがそのかいはありますよね!今回、歴史上の人物を調べながら読んでみてとっても楽しかったんですよ。ときわ姫さんやあしかさんのおかげで読書が深まった感じがします。ありがとうございます!
まゆさん、私はこれすごく好きでした!本プロの皆さんの感想を読ませてもらったんですが『白鳥異伝』の評価が高いので、この作品は印象が薄いのかな?とちょっと残念に思います。再読しての感想楽しみにまってますね! (2005/07/09 12:12)
すもも > このシリーズが、児童文学を読み出す発端になったので、思い入れがあります。わたしのランキングは、1位・空色(トントンさんといっしょだ〜♪)2位・白鳥、3位・風神、4位・薄紅です。でも、けっきょく全部好きなんですけどね(^^) (2005/07/12 10:38)
ときわ姫 > トントンさん欲しいと思っていたら、「白鳥異伝」をブックオフで半額で買えました。嬉しくって、報告します。 (2005/07/12 11:17)
カルミア > 「空色勾玉」は名前はよく聞きましたが、読んでいませんでした。私はぜんぜん詳しくないのですが日本のファンタジーもよさそうですね! ホビットを思い出させるなんて、良さそう…♪ (2005/07/12 20:24)
トントン > すももさん、児童文学を読むきっかけになったシリーズだったんですね。私は本プロで荻原さんの存在を知ったのですが出会えてよかったと思っています。ランキング1位一緒でうれしいで〜す!そうそう、私も順位つけるのが難しいくらいどれも好きです♪
ときわ姫さん、半額でゲットとはいい買い物でしたね!このシリーズは1冊が2000円以上だから集めるのにもヨイショがいるけど、私もぜひ揃えたくなってきました。時々ブックオフのぞいてみようと思います。
カルミアさん、ホビットを思い出したのは私だけかも(笑)でもこのシリーズは本当におすすめなのでぜひ読んでみてくださいね! (2005/07/13 23:34)


[★★★★][日本の作家(カ行)]

おりおりに和暦のあるくらし

おりおりに和暦のあるくらし

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この本によると、和暦とは和の暦、旧暦のこと。
今私達が使っている新暦太陽暦)は365日を12等分したサイクルで作られていますが、旧暦は月が太陽の周りを1周する29.5日を基準にしたものです。
19年に7度「閏月」をもうけることで、太陽暦のサイクルも取り入れています。

6月が水無月と呼ばれるのは旧暦の7月と聞けばたしかにしっくりきます。
月名の由来も詳しく書かれていて、知らないことがたくさんありました。
新暦と旧暦は約1ヶ月ほどもずれていることを実感しました。

私にはあまりなじみがないと思っていた旧暦ですが、まだまだ日本に息づいていると分かりうれしかったです。
食のことや暮らしの知恵なども色々載っていたので、楽しく読めました。
食では(山菜の美味しいいただき方、日本茶の種類と美味しいいただき方、土用の食べ物あれこれ、日本の薬味、全国の味噌の種類など)暮らしでは(酢の効用、風呂敷の色んな包み方など)

いいなと思ったのは日本の伝統色の呼び名。
桜色、長春(ちょうしゅん)、石竹(せきちく)、紅(くれない)、柿、山吹、鳥の子、利休白茶(りきゅうしらちゃ)、芥子(からし)、苔(こけ)、鶯(うぐいす)・・・
名前を聞いただけでは想像できない色も多かったです。
草木染めを代表とする日本の染色技術により生み出された繊細な色。
つけられた漢字や音の響きも美しいと思いました。

旧暦はとても素敵だし、すごく優しい感じがします。
自然の恵みに感謝し、季節を愛でる・・・昔から伝えられてきた色々な行事には様々な意味があったんですね。

説明も丁寧で、写真もたくさん掲載されています。
季節の節目を大切にする気持ちを大事にして、これからは日々の暮らしにに少しでも取り入れたいと思いました。



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さくら > 私も読みました〜好きです。こういうの読むと折角日本にいるのだから、もっと季節感を感じて大切にしたいな〜と思いますね。 (2005/07/15 12:19)
トントン > 写真も豊富だし、何より読みやすく分かりやすい内容がすごくよかったです!和暦って言葉もいいですよね。私も季節を感じる心を忘れたくないなと思いました。さくらさんの日記をきっかけに読むことができました。ありがとうございます♪ (2005/07/15 23:21)
ミワ > こんにちは!
トントンさんの感想を拝見していいな〜と思い、さっそく本屋さんでチェックしてきました♪図書館で借りてじっくり読みたいです。
色の呼び名は素敵ですよね。日本語ってうつくしい言葉だなぁと実感します。しかもこんな色があるのかとびっくり。季節と切り離せないところもまた美しくて繊細だし。
食に関する内容もとっても興味深いし、わたしも日々の暮らしに取り入れたいなと思います。 (2005/07/17 10:57)
トントン > ミワさん、さっそく本屋さんでチェックされたんですね!日本の季節や言葉っていいですよね。美しくて繊細、まさにその通りだと思います。食に関するコラムもけっこう載っていて面白かったですよ。読んでいて色々楽しめました! (2005/07/17 22:57)


[★★★][児童書・YA][海外の作家(その他)]

サークル・オブ・マジック 邪悪の彫像/王様の劇場

サークル・オブ・マジック 邪悪の彫像/王様の劇場

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シリーズ第2巻です。
本国では全6冊で出版されたのが、日本では2冊ずつまとめて出しているそうです。

ランドルは15歳になり、魔法学校を卒業して修行の旅に出ています。
まだ未熟な魔法使いとはいえ、使える魔法も増え成長しているのがうれしかったです。

収められているのは2つの物語。

・邪悪の彫像
ひょんなことで魔法の力が込められた彫像を預かることになったランドルが、再会したニック、リュート弾きのリースらと共に危険に巻き込まれる。
見るたびに老婆の姿が変わっていく彫像が不気味でした。
魔法を使うたびに力を吸い取られていくランドルがどうなってしまうのか、ハラハラしながら一気に読みました。

・王様の劇場
リースの故郷オクシタニアにやって来たランドル。
宮殿の魔法使いペトルシオの仕事を手伝うことになったのだが、今度は王様と双子の弟の争いに巻き込まれ・・・
ちょっと登場人物がややこしくて混乱してしまいました。

あとがきによれば、次巻はいよいよ故郷ブレスランドへ帰ることになるそうです。
ランドルの成長と今後の展開がますます楽しみです。



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すもも > 着々と読み進められてますね〜。トントンさんの日記を読んで、もう一度読み直したい気持ちになりました(^^)次はいよいよ3巻ですね♪ (2005/07/23 22:41)
トントン > すももさん、このシリーズは読み始めるとすごく熱中してしまう緊迫感がありますね!1巻では落ちこぼれだったランドルなのにすごく成長していてうれしかったです。 (2005/07/25 21:52)