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2003年からの読書日記

エリアドルの王国作者: フラヴィア・ビュジョール,東野曜子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2003/11/20メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る

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13歳当時に書いたデビュー作だそうです。
J・R・Rトールキンの『指輪物語』やミヒャエル・エンデの『はてしない物語』、フィリップ・プルマンの『ライラの冒険シリーズ』を愛読していた彼女。
なんとなくそれらの影響が感じられるなと思う箇所もありました。

つい話題の年齢を考えてしまうけれど、十分読者を楽しませてくれるファンタジーだと思います。
光と闇、生と死、恋と友情、夢や希望・信じる力の強さなど色々な要素がふんだんに盛り込まれていました。

主人公はみんな14歳、著者の年齢と同じです。
物語は二つの世界で描かれます。
一つは現実の世界2002年のパリ。
ジョアという少女が病気で苦しんでいるところです。
短い文章なのですが、もうジョアは死が近づいているのが分かります。
苦痛に耐え夢をみるようになったジョア

その夢に出てくる宝石の名前を持つ3人の少女、ジャド(翡翠)、アンブル(琥珀)、オパール
14歳の誕生日を迎えた夜に、驚くべき話を聞かされます。
自分たちの両親だと思っていた人が実は本当の両親ではなかったこと、『予言の書』に従い、すぐに旅に出なければいけないこと。
それぞれの名前を持った不思議な石を渡され、3人は出会います。

互いに敵同士だと知らされていたので探り合いをしていましたが、旅を続けるうちに少しずつ友情がはぐくまれていきます。

少女達の性格が描き分けられていて、どの子も魅力的です。
ぶつかり合いながらも旅を続けていくうちに成長していく姿もよかったです。

少女達の敵らしい十二人会議。悪の存在も見え隠れしています。
最後の戦いの部分が意外とあっけなかったのが残念かな。
善と悪の戦いは永遠に終わらないこと、人間は両方持ち合わせていること・・・
著者の伝えたいことはたくさんあるんだろうなと感じました。
今後の作品が楽しみな若い作家だと思いました。





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北原杏子 > これは全く知りませんでした。作者も全然知りません。13歳で書いたデビュー作ですか〜、最近そういうのが多いような。とりあえずメモしときます。 (2005/05/20 22:36)
ときわ姫 > 私も初めて知りました。光文社がこういう本を出していることは、珍しい感じがしますが、他にもファンタジーを出してるんでしょうか? (2005/05/21 09:43)
トントン > 北原杏子さん、最近若い人が書いて話題になるのが多い気がしますよね。『エラゴン』もそうだったし。これは14歳が主人公で作者と同世代の設定だからすごく女の子達が生き生きしているように感じました。よかったら読んでみてくださいね。
ときわ姫さん、光文社のHP見てきたんですが、ファンタジー作品出すのも珍しいみたいですね。この本以外ファンタジーらしいものは見当たりませんでした。フランスで出版された当時、作者が「サガンの再来」と言われて話題になったそうですよ。 (2005/05/22 10:30)
カルミア > トントンさん、こんばんは。この本は、どこかでタイトルを聞いたか本屋さんで見かけたかですが、「エリアドル」でドキっとしてたんですよ〜♪「エリアドール」って指輪物語に地名でてくるから、何かそこから取った物語なのかな、って。そうですか、愛読していたんですね。13歳ってすごいですよね。若い人が書いた本で思い出すのが、ファンタジーではないですが『アウトサイダー』って映画にもなった本、読んだのを思い出します。それでも17歳だというから、13歳って・・すごい才能ですね。 (2005/05/22 18:10)
トントン > カルミアさん、おはようございます。指輪物語で出てきた地名だったんですね!しばらく前に読み終わったばかりなのに全然気づきませんでした^^本当に13歳で書いたと聞いてびっくりしたんですよ。でも年齢を知らずに読んだら違和感ないかもしれないです。『アウトサイダー』ちらりとタイトルは聞いたことがあります。機会があれば読んでみますね♪ (2005/05/24 09:29)