湯本香樹実
三年間失踪中の夫がある夜ふいに帰ってくる。 ただしその身は遠い水底で蟹に喰われたという。 妻は、彼とともに死後の軌跡をさかのぼる旅に出る。 彼岸と此岸をたゆたいつつ、 永久に失われたものへなお手を差し延べる 愛のつよさがあまりに切なく、心が震え…
(204) 今月の1冊にもなっていたし、今年こそ夏に読もうと思っていました。 読めてよかったです! ネタバレはしていないと思いますが、未読の人は先入観なしで読んだ方がいいかも。小学6年生の仲良し3人組、木山、河辺、山下が一人の老人を観察し始めます…
(188) 湯本さんの作品は生と死、老人と子どもがテーマになっているものが多い気がします。 これもそんな1冊ですが、主人公の僕よりも母と祖父の親子関係に重点がおいてある感じでした。爪きりの絵が表紙にあり、印象的です。>母は夜更けに爪を切った。て…
(56) 『夏の庭』を読みたかったけれど見つからずこちらを先に読むことにしました。 先日読んだ『ささらさや』と同じく夫を失った妻の話が続いてびっくり。また違った感じで楽しめました。主人公は7歳の千秋。 急に父が亡くなり母が虚ろになってしまいます。…