はぴの本棚

2003年からの読書日記

さざなみのよる作者: 木皿泉出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見る

小国ナスミ、享年43。
宿り、去って、やがてまたやって来る――。
命のまばゆいきらめきを描いた、感動と祝福の物語。

以前読んだ『昨夜のカレー、明日のパン』で木皿泉さんに興味を持って以来、新作を楽しみにしていました。
http://d.hatena.ne.jp/lovelyplace923/20160115

とてもよかったです。
普段無意識に見ないようにしている死がすぐ身近にあるものに感じました。
切ない・・・でも、怖くない。
こんな気持ちになったのは初めてかも。

ナスミが亡くなっても彼女と関わった周りの人達は生きていて、日々の暮らしは続いていくんだなとしみじみ感じながら読みました。
章が進むにつれてさざなみ(波紋のような丸)が広がっていく小さいイラストも好きでした。

ナスミが偶然今の自分と同い年だったのにもびっくり!
いいタイミングで本に呼ばれて読めたような気がします。
死が間近に迫ってきたら色々な感情が渦巻いて混乱しそうだけど、最期は「この人生でよかったな」と思いたいです。

しばらく経ってから再読したいと思える作品でした。