はぴの本棚

2003年からの読書日記

蜜蜂と遠雷作者: 恩田陸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/09/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (61件) を見る

俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!

直木賞本屋大賞受賞作。
図書館で予約してだいぶ待ちましたが、順番が回ってきた時「長く待った甲斐がありますよ♪」と司書さんに言われて期待がさらに高まりました。

分厚くて二段組という本の迫力にまず圧倒されましたが、読み始めるとすごく面白い!
コンクールの予選から本選まで、先が気になってぐいぐい読めました。
「構想12年、取材11年、執筆7年」だから当然なのかもしれませんが・・・

風間塵、栄伝亜夜、高島明石、マサル・C・レヴィ=アナトール、どの若者も魅力的。
最初は誰が優勝するかが気になっていたのに、途中からは皆を応援している観客の気分でした。
小説なので無理なのは分かっているのに、彼らの演奏が実際に聴けたらと何度も思ってしまいました。
小説なのに音楽が聴こえてくるようで不思議でした。

子どもの頃、ピアノを習っていましたが、楽しさより練習がしんどいと思う気持ちが常に勝っていたような気がします。
今思うとすごく残念・・・
ピアノ教室に通っている次女の練習に付き合いつつ、私も楽しく弾けたらいいなと思いました。

クラシックは難しくて敷居が高いイメージがありましたが、この小説のおかげで少し苦手意識がほぐれたかも。
CDが発売されたとのことで聴きながら再読もありかなと思いました。