はぴの本棚

2003年からの読書日記

ツバキ文具店作者: 小川糸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/04/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (22件) を見る

ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。
鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。
伝えられなかった大切な人への想い。
あなたに代わって、お届けします。

代書屋って聞きなじみのない職業でしたが、すごく難しそう。
その人らしさを想像して・・・まさに憑依した感じで書くんでしょうね。
本人が書いたものではないけれど、思いは十分こもっているはず。
紙や筆記具、切手など細部にもこだわって書かれた手紙って、もらった人はすごくうれしいと思います。

鳩子と祖母である先代との関係がだんだん分かってきてからは物語に感情移入しながら読みました。
特に先代がイタリアの文通友達である静子へ送った手紙が印象的で涙が出そうになりました。


>失くしたものを追い求めるより、今、手のひらに残っているものを大事にすればいいんだって。

モリカゲさんの言葉も心に響く素敵なものでした。


私には小学4年生から文通をしている友人がいるのですが、今はお互い忙しいのもあって、近況報告などは手軽なLINEのやりとりになってしまっています。
最近は手紙を出すことがすっかり少なくなってしまいました。

たまには書く時間を作ってハガキや手紙、ミニレター(初めて知りました)を送ってみようかな。
物語を読みながら頭に浮かんできた友人達にも連絡を取りたくなりました。
せっかくつないだご縁がこれからも続いていけばいいなと思います。

本に載っている鎌倉案内図を見ながら読むのも楽しかったです。
紹介されているお店に行ってみたくなりました。