はぴの本棚

2003年からの読書日記

秘密 上作者: ケイト・モートン,青木純子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/12/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (129件) を見る秘密 下作者: ケイト・モートン,青木純子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/12/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (64件) を見る

少女だったローレルは恐ろしい事件を目撃する。
突然現われた見知らぬ男を母が刺し殺したのだ。
男が「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と母に声をかけた直後に。
男は母を知っていたし、母も男を知っていた!
彼は誰だったのか ?
国民的女優となったローレルは、死期の近づいた愛する母の秘密を探り始めた。
彼と母の間に何があったのか?
母の本から落ちた古い写真に写る女性は誰なのか?
『忘れられた花 園』の著者が贈る謎の物語。


『忘れられた花園』がとても好みだったので、この作品も楽しみにしていました。
やはり期待以上!よかったです。

上巻は比較的ゆっくり読み進めていたのですが、下巻に入ってからはノンストップの面白さ。
タマネギの皮を1枚ずつ剥いていくように、少しずつ真相が明らかになっていく様子に夢中になりました。


1941年5月、ロンドンでの場面が上巻・下巻、別の登場人物の視点から繰り返されたところが印象的でした。
下巻の同じ場面を読んだ時、鳥肌が立つくらい・・・・・・著者のすごさを感じました。



同じ登場人物のはずなのに、ドリーとドロシーが書き分けられていた理由が分からずにずっと混乱していたけれど、これにも秘密が?
よく理解できていないので改めて時間をかけてじっくり読みなおしたい気分です。



>秘密というのは秘密のままにしておくのが難しい。秘密は心の被膜ぎりぎりのところに身を潜めていて、それを抱える人の決意にひび割れを見つけるや、そこからいきなり這い出してくるのだ。〜


最後の章、8歳のローレルの場面を読んだ時には温かい気持ちになりました。
知らないままの方がいい秘密がほとんどなのかもしれませんが、ローレルとジェリーにとっては母の秘密を知ることができてよかったんでしょうね。


ケイト・モートン作品、未読の『リヴァトン館』もぜひ読まねば!
新作も楽しみに待ちたいと思います。