はぴの本棚

2003年からの読書日記

ふたたびの春に作者: 和合亮一出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2012/03/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

 
絶望と希望を教えてください。
「あの日」から1年。
福島に住み続ける詩人の魂の記録。

この日本をいかに生きるか。私は極限にそれを、暗い部屋の中で問われた気がした。
ストレートなメッセージを書き殴り、ツイッターに投稿した。
正気を取り戻すことが出来るようになったのは、全国の、フォローして下さった方々からの、たくさんのメッセージの1つ1つにあった。
放射能
見えざる恐怖の情報に脅えて、励ましに涙する毎日の中で、本当に信じられる〈言葉〉だけを見つめたい。(本文より)


東日本大震災から3年以上が経ちました。
私は西日本に住んでいて、もちろん被災していないのですが、それでも心配や不安はあるし震災関連の本をなかなか手に取ることができません。
でも、少しずつでも読んでいきたいと思っています。


東日本大震災後、和合亮一さんのお名前を聞く機会が何度かありました。
気になりつつも、なかなか読む勇気が出ず・・・
最近雑誌で対談記事を読んだのをきっかけにやっと手に取ることができました。

震災ノート 20110311-20120311とあるように東日本大震災直後から1年間の記録です。


やっぱり涙が出ました。
日本に著者のような思いを抱えた方が数多くいることを思うと胸が痛くなります。

たくさんの詩が掲載されていますが、「卒業」という詩が特に印象に残りました。
「震災ノート 余白に」を読んでこの詩の背景を知るとさらに辛くなりました。



>私たちの精神を追い込むのも、救うのも言葉なのだ。あらためて<絶対>の崩壊に立ち向かうには、<言葉>しかないのだ。

この文章にとても共感し、言葉の力や可能性を感じることもできました。


「青空に」という詩に力をもらえたのでノートに書き留めておこうと思います。