はぴの本棚

2003年からの読書日記

人生に大切なことはすべて絵本から教わった〈2〉 (末盛千枝子ブックス)作者: 末盛千枝子出版社/メーカー: 現代企画室発売日: 2013/04/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る

【主な内容】いま、読みたい絵本/「いのち」をめぐって― 宮沢賢治をてがかりに 中村桂子さんと語る/父を語る― 舟越保武の人と芸術 北川フラムさんとともに/母を語る― 舟越道子という生き方/大編集者マーガレット・マッケルダリー/ゴフスタイン『あなたのひとり旅』出版にあたって― 訳者・谷川俊太郎さんと語る/子どもという不思議/『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』出版記念シンポジウム 末盛千枝子の仕事を語る― 安野光雅さん、松浦弥太郎さんを迎えて


2013年出版。
2011年6月から1年にわたるクラブヒルサイド・セミナーシリーズの記録をまとめたものです。

前回母に借りて読んだ『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』がとてもよかったので、2も楽しみにしていました。
その時に感想はこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/lovelyplace923/20130303


2010年5月に父の郷里岩手県に引っ越しした著者ですが、2011年3月東日本大震災に遭遇。
その後すぐに「3.11絵本プロジェクトいわて」を立ち上げて絵本を届ける活動をされたお話(23万冊もの本が寄せられたとのこと)には改めて素晴らしいと思いました。


特に印象に残ったのは、宮沢賢治についての対談、父、母について語るのところ。
宮沢賢治作品をもっとたくさん読みたくなりました。


マーガレット・マッケルダリーさんのお名前は耳にしたことがあったものの、詳しくは知らなかったのでとても興味がわきました。
ゴフスタインの作品は前著を読んで手に取るようになったんですが、『ピアノ調律師』が大好きになりました。
さらに他の作品も読みたくなりました。


印象に残った文章。


クラブヒルサイド現代企画室 前田礼さん
>私たちが絵本や童話を読むのは、自分以外の、人間以外の対象になって世界と触れ合っていく、理解していくということなのかなと思うんですね。


末盛さんが母に教わったヘミングウェイの言葉
>「勇気とは、窮地に陥ったときに見せる気品のことである(Courage is grace under pressure)」


谷川俊太郎さんの言葉
>パイの皮って何重にも折りたたんでつくるでしょ。年をとるってこういうことだと思うんだよね。でも美味しいでしょ。年をとると、人生絶対美味しくなりますよ。



絵本を子ども向け、大人向けと分けること自体がおかしいという話にも共感。
これは児童書または児童文学と呼ばれているものについてもそうなんじゃないかと思います。
大人も読んで心に響く作品はたくさんあると実感しています。
素晴らしい作品には垣根がないんだと思います。


読みたくなった本。(○は前著でも紹介されていてチェックした作品)

○『みみをすます』谷川俊太郎
『わがままな大男』オスカー・ワイルド リスベート・ツヴェルガー絵 北村太郎
『木を植えた男』ジャン・ジオノ フレデリック・バック絵 寺岡襄訳
『かぜはどこへいくの』シャーロット・ゾロトウ ハワード・ノッツ絵 まつおかきょうこ訳
○『シャーロットのおくりもの』E・B・ホワイト作 ガース・ウィリアムズ絵 さくまゆみこ訳
○『どうぶつたち』まど・みちお 美智子選・訳 安野光雅
グリーンノウシリーズ
『ゴールディーのお人形』M.B.ゴフスタイン 末盛千枝子訳
『おばあちゃんのはこぶね』M.B.ゴフスタイン 谷川俊太郎
『シャーロットとしろいうま』ルース・クラウス モーリス・センダック絵 こだまともこ訳
モーリス・センダックの絵本色々
『かみさまへのてがみ』谷川俊太郎訳 葉祥明絵
○『児童文学最終講義』猪熊葉子
○『絵本 即興詩人』安野光雅
『ねずみ女房』ルーマー・ゴッデン ウィリアム・ペン・デュボア絵 石井桃子

『希望のつくり方』玄田有史
ミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き