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2003年からの読書日記

日本人へ 危機からの脱出篇 (文春新書 938)作者: 塩野七生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/10/18メディア: 新書この商品を含むブログ (8件) を見る

すべての叡智は、歴史に通じる!
3・11大震災、ユーロ危機、指導者の目まぐるしい交代――危機に対峙するには何が必要か? 『日本人へ』シリーズ、待望の最新刊!

2013年10月発売。
文藝春秋2010年5月号〜13年10月までの文章とのこと。

人気シリーズ第三弾とありましたが、読んだのは本書が初めてでした。
久々に手に取った新書、また政治について多く書かれていたこともあり読み終わるまでに時間がかかりました。

東日本大震災を挟んでの連載なので震災前と後とではずいぶん印象が違っている気がしました。
イタリア在住半世紀以上の著者が日本のことをより案じている(期待もしている)様子が伺えました。


がれき問題については改めて色々考えさせられたし、人間がほんとうに求めているものは「食」でも「カネ」でもなく「職」だというのはなるほどと思いました。


印象に残った文章。


マキアヴェッリの一句より。
>「やらないで後悔するよりも、やって後悔するほうがずっとよい」


>つまり、想像力を自由に羽ばたかせたいと思えば、母国語にまさるものはない。なぜならば外国語は、所詮はよそゆきの言葉で、それゆえに人間性の自然に、多少なりとも反するものだからである。


>いかに巧みに外国語を操る人でも、その人の母国語の能力以上の内容は、絶対に話せないし書けもできないのである。


>入社試験に失敗したときにまず考えるべきことは、その会社があなたを必要としていないからと言って、社会までがあなたを必要としていないのではない、ということである。


>人間は、不幸なときにこそ真価が問われるのだし、予期していなかった事態にどう対処するかに、その人の気概が表われるのだ。


>〜人間が人間である由縁は、どう死ぬか、ではなく、それまでをどう生きていくか、にある。


久々に噛み応えのある読書になりました。
ずっと気になっているローマ人の物語シリーズ、やっぱり難しそうでなかなか手が出ないかも。