はぴの本棚

2003年からの読書日記

ラスト ラン (カドカワ銀のさじシリーズ)作者: 角野栄子,杉基イクラ出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/01/29メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (11件) を見る

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ずっと読みたいと思っていた作品。
母も気になっていたそうで、図書館で借り母の後に読みました。

74歳のイコさんがある日、バイク・ツーリングに出かける。
目的地は5歳で死別した母の生家。
手がかりは、母が12歳の時の古い写真。
たどり着いたその家には不思議な少女が住んでいた。
ふーちゃんと名乗るその子は、写真の少女そのもので……!


主人公のイコさんは74歳と思えないほど若くて元気でかっこいい。
風の向くまま、気の向くままのバイク・ツーリングで母の生家に辿り着いたら不思議なことが立て続けに起こります。
写真の中の少女の姿そのままの母ふーちゃんがとても魅力的でした。


今の私にとって死はまだ先にあってできれば考えたくない怖いものだと思ってしまう。
でもこの本を読むと生と死の境目ってけっこうあいまいで案外近そう。
年を経るごとに怖いものではなっていくのかなと感じました。
たぶんイコさんとは全く違ったタイプのおばあさんになりそうだけど(笑)素敵な年の重ね方をしたいなと思いました。


後半は切なくて涙が・・・よかったです。


>「〜思い出は昔のことなんだけど、昔だけのものじゃない、これからの力になるのよ」



最初章ごとに区切られていないのはどうしてかな?と思っていたんですが、これはあえてなんでしょうね。
あっという間にノンストップで読んでしまいました。
一息つけない感じがまさにオートバイでずっと走っているようでした。


途中で読むのが中断している『魔女の宅急便』も完結したことだし、機会を見つけて最初から読みたいです。