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2003年からの読書日記

原発のウソ (扶桑社新書)作者: 小出裕章出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2011/06/01メディア: 新書購入: 34人 クリック: 1,192回この商品を含むブログ (172件) を見る

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とても話題になっている本書。
母も読みたいと言っていたので共同購入しました。

いまだ終息のめどが立たない福島の原発事故。
報道はずいぶん少なくなっているけれど、著者によれば水蒸気爆発の可能性も消えていなくてまだまだ危機的な状況のよう。
今も原発で作業されている方達の被曝量が増え続けていると思うと心が痛みます。

原子力は安全でもエコでもクリーンでもないということ。
原発がなければ電力不足になるというのは違うということ。

>今回の地震津波で、原発が止まって電力不足になったような印象がありますが、実は違います。火力発電所が被害を受けたことが大きな理由です。

原子力を止めたとしても、火力発電所の3割をまだ止めておけるほどの余力があるのです。

節電はもちろん大切で企業を始め一人ひとりの努力は必要ですが、原発を全部止めても電力不足にはならず困らないということをもっともっとたくさんの国民が知るべきだと思います。

いかに原発が危険なものなのかがより理解できます。

ちょっと難しい部分もありましたが、「もんじゅ」や六ヶ所再処理工場はさらに危険だということも分かりました。


地震列島の日本になぜ54基もの原発が作られてしまったのか?
東日本大震災後「想定外」という言葉がよく使われましたが、それじゃ済まないと思います。

ヨウ素セシウムストロンチウムなど色々な放射線が出ているようで怖ろしいですが、中でもプルトニウム半減期が2万4千年というのはとてつもない長い。
私達の遥か先の子孫にまで大きな負の遺産を残してしまったということに愕然としてしまいます。
しかもそれだけの年月をかけても半分にしかならないという恐ろしさ。


これからの食べ物についても心配です。

>マスコミは「暫定基準値を下回っているから大丈夫」としか言っていませんが、基準値以下だから安全だということは絶対にありません。(中略)自分の命にかかわる基準を他人に決めてもらう今のやり方は、根本的に間違っています。


これ以上悲劇を生まないためには脱原発しかないと思います。
でも原発を止めても膨大な「核のゴミ」は残るということ、誰にも管理できないということが怖ろしい。

>しかし、もし安全な地球環境を子どもや孫に引き渡したいのであれば、その道はただ一つ。「知足」しかありません。代替エネルギーを開発することも大事ですが、まずはエネルギー消費の抑制にこそ目を向けなければなりません。


これまで自分が知ろうとしてこなかったことは反省しなければいけないけれど、これから色々な本や情報を得ながら関心を持ち続けていきたいです。


グッドタイミングで小出さんの講演会が9月にあるとのこと。
ぜひ行きたいと思っています。