はぴの本棚

2003年からの読書日記

つづきの図書館作者: 柏葉幸子,山本容子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/01/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (14件) を見る

久々に柏葉幸子さんの作品を読みました。
本屋や図書館が舞台になった本ってつい惹かれて手に取ってしまいます。
山本容子さんの絵も素敵♪


四方山市立図書館下町別館の司書になった桃さんが不思議なできごとに巻き込まれてしまうという物語。


「つづきを知りたい」と赤い本から出てきたはだかの王様や狼、あまのじゃく、幽霊などの頼みを聞いて読者を探すお手伝いをすることになってしまった桃さん。
彼らと付き合ううちに桃さんが町や人々に少しずつ馴染んでいく様子がとてもよかったです。
ちょっと口が悪いけれど本当は優しい杏おばさんもなんだかいいなあ。
実は桃さんのことを心配して色々気にかけていたんですね。


物語の続きや登場人物達のその後を知りたいと思う気持ちはすごくよく分かります。
でも、本の登場人物も読んでいた人の続きを知りたいなんて考えたこともなかった!
著者の目の付けどころがとてもユニークですね。
私の続きを知りたいと思ってくれる登場人物がいてくれたらうれしいなと思ってしまいました。


主人公の桃さんが自分と同年代ということもあり、なんだかすごく感情移入してしまいました。
児童書だけれど子どもが主人公じゃないというのも新鮮。
面白く読んでいたけれど、最後にはほろっとさせられる部分もあり・・・あったかい気持ちになれる物語でした。