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2003年からの読書日記

ターシャ・テューダー最後のことば―ラスト・インタビュー「人生の冬が来たら」 (MOE BOOKS)作者: ターシャテューダー,Tasha Tudor,Richard W. Brown,Seth Tudor出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2009/06/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 107回この商品を含むブログ (10件) を見る

母に借りました。
2008年6月18日、92歳で亡くなったターシャ・テューダーさん。
以前何度かTVで特集されているのを見ましたが、自然に囲まれゆったりとした暮らしをされていて素敵だなと思ったものでした。


本書は月刊MOEに掲載された彼女最後のインタビュー2編と家族の証言(息子夫婦、孫夫婦)をまとめたものです。
ところどころ入っているターシャさんの写真がとても美しいです。




日本のみなさまへ セス・テューダー「晩年のターシャ・テューダー

Ⅰ 暮らしに喜びを見つけるのに、大切なことは何ですか。

Ⅱ 古いものや手づくりのものは、なぜ素晴らしいのですか。

Ⅲ 幸福や理想は、追い求めすぎないほうがいいのでしょうか。

Ⅳ これまで人生で、あなたの作品はどんな意味をもっていましたか。

Ⅴ 人生に冬が来たとき、何を心がけたらいいのですか。

家族が語るターシャの素顔




日本にもファンの多い彼女ですが、今の暮らしに落ち着くまでには困難を乗り越えてきたこと。
挿絵画家としての仕事が成功するまでには時間がかかったし、離婚し4人の子どもを育てるという苦労もありました。


美しいものに囲まれること、自分の手で何かをつくりだすこと、暮らしの中に喜びを見つけだすこと、長く人生を過ごしてきた彼女の言葉はとても重みがあります。



たくさん心に留めておきたい文章があったのですが、自分の理想とするものを手に入れるために何が必要なのかという質問に対してのターシャさんの答えが特に印象的でした。


>理想を実現するために、もちろん時間はなくてはならないものですね。労働は時間なのです。でも、もっと大切なものは、それを成し遂げるという意志です。
〜本当に何かをしたいと望めば、きっとうまくいくはずですよ。


叶えられるか分からない自分の夢・・・ターシャさんに優しくかつ力強く背中を押してもらった気がしました。



詩の魅力について語る文章も素敵です。

>詩の感情的な揺さぶりで心が動かされることとは別に、人は、詩を記憶することから何かを得ると私は信じています。それは時として、テレビを見たりビデオゲームで遊ぶことよりも、素晴らしいことです。


ターシャさんの言葉にたくさんの勇気をもらって本を閉じることができました。