はぴの本棚

2003年からの読書日記

天と地の守り人〈第2部〉 (偕成社ワンダーランド 33)作者: 上橋菜穂子,二木真希子出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2007/01/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (49件) を見る

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いいタイミングで予約の順番が回ってきたので続けて読めました。
第二部はバルサの故郷カンバル王国編です。


今回も最初から目が離せない展開で本を置くのがもどかしいほど。
一気読みに近い感じで夢中になってあっという間に読んでしまいました。


カンバル王国とロタ王国の同盟を結ばせるためにバルサとチャグムはカンバル王国に向かいます。
でもカンバル王の側近にはタルシュ帝国の息がかかったものがいたのです。
何度も二人の身に危険が襲いかかり読んでいてハラハラしっぱなしでした。


そしてさらにナユグに春が来たことも大きな影響を及ぼすことが分かってきて・・・
国の争いだけでも大変なのにそれに加え、天からの災いも降りかかりそうな予感。


今回の巻でチャグムが大人になってしまいました。
多くの国を見て、様々な人を見て、危険をくぐりぬけてきたからこそだとは思いますが、一気に大人にならざるをえなかったんでしょうね。
カンバル王との面会の場面でとったチャグムの行動は、読んでいる中で一番緊張したように思います。


チャグムとバルサの旅が中心の巻なので、危険いっぱいの中にも二人の心の通い合いの場面がいくつかあり、とてもあたたかく感じました。


>「〜でもね、なにもかもを背負える人なんて、この世にはいないし、だれも傷つけず、だれにとっても幸福な解決なんてものも、きっと、この世には、ありはしないんだよ。」

バルサが自分を責めすぎるチャグムにかける言葉です。心に響きました。


また人を殺した者にも苦しさを忘れて(納得して)生きられる日がくるのか?苦しいままなのか?とつぶやいたチャグムにバルサが答える場面も印象的だったし、
バルサがチャグムの頬をやさしく包む場面はとても好きだと思いました。


最終巻の第三部でどのような決着がつくのか本当に楽しみです。