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2003年からの読書日記

蒼路の旅人 (偕成社ワンダーランド (31))作者: 上橋菜穂子,佐竹美保出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2005/04/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (42件) を見る

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途中で読むのが止まっていた守り人シリーズ、久々に再開しました。
あとがきに詳しくありますが、今回のタイトルは『旅人』となっています。
バルサは登場せず、チャグムが主人公のストーリー。


本に載っていたあらすじを引用します。

新ヨゴ皇国の皇太子となったチャグムは、罠と知りながら祖父トーサとともにサンガル国の救援にむかう。
そこでチャグムを待ちうけていたのは愛する人の死と、あらたなる試練だった。
故郷をはなれ、より困難な道をめざすチャグムの旅がはじまる。


12歳になったチャグムはまだ幼さも残っているけれど、さらに賢く成長していました。
毎週TVアニメで見ている幼い印象とは違うチャグムと出会うことができ、(懐かしい人にまた再会したような気持ち)うれしく思いました。

でも、気性の激しさや潔癖な部分、繊細さもある不安定な年頃。
父である帝との関係も冷え切っていて切なかったです。
親子の対立の場面はなんともいえない悲しい気持ちにさせられました。


国を背負う重圧はかなりのものがあり、逃げ出したい気持ちになるのも分かる気がしました。
もう一つの世界ナユグが今も見えるチャグム。
手を伸ばせば触れられるところにあるのに、チャグムの立場ではなにもかも投げ出してナユグに行くことができない・・・これは本当に辛いと思います。
一方、民をなんとか守りたいとの強い思いもあり、葛藤する姿が痛々しいくらいでした。


登場人物ではチャグムの祖父トーサ、アラユタン・ヒュウゴ、セナが印象に残りました。
特にヒュウゴは謎めいた人物でかなり気になりました。


今回チャグムはある大きな決断をして歩み始めるところで終わります。
続きがとても気になりやや消化不良(笑)
でも、チャグムの決断は本当にすごい!
どこからこの強さが出てくるんだろう?と思うくらいでした。
希望はほとんどないと思われる案だけれど、チャグムはこのままでは終わらないと確信しています。


このシリーズも残すところ『天と地の守り人』の3冊のみ!
予約が入っているのですぐ連続して読めるとは限りませんが、じっくり楽しみたいと思います。