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2003年からの読書日記

エマ (中公文庫)作者: ジェインオースティン,Jane Austen,阿部知二出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/02/01メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (11件) を見る

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SNSの4月の課題本。
中公文庫(阿部知二訳)で読みました。


読み始める前、全55章、本文726ページのボリュームに圧倒された私。
初めて読むオースティン作品ということもあり読了できるか心配でしたが、混乱したのは登場人物の多さに慣れるのと、上流階級らしい言葉遣いのみ。
現在とはあまりにも違う時代や人々の様子が面白く(まさに別世界!)予想以上に楽しめました。


主人公のエマ・ウッドハウスは21歳。
お金持ちのお嬢様で美貌もあり、何不自由ない暮らしぶりです。
あまりに思いのままにできすぎる力があるので仕方ないんですが、欠点もちらほら。
自分を少々よく思いすぎる気質やでしゃばりなところ、想像力が先走ってしまうところ、人の好き嫌いがかなり激しいところなど・・・
当時の階級社会や恋愛に関する考え方なども垣間見えて興味深く読めました。


個性的な登場人物もたくさんいて楽しめました。
エマの父のウッドハウス氏やナイトリー氏、ジェイン・フェアファックス、ハリエット・スミスも気になりましたが、特に強烈だったのはベイツ老嬢、エルトン夫人。
これが現代にもいそうなおばさん達で(笑)


恋のキューピッド役をきどるエマですが、空回りしてことごとく失敗するのも可笑しいです。
途中からはエマ自身も恋に悩んだり・・・
色々な人達の結婚話がありましたが、最後は結局ハッピーエンドになったのもよかったです。


この作品が出版されたのが1815年。
オースティンの生年が自分とちょうど200年違うことにもびっくり。
訳者の力もあるのでしょうが、古典文学なのにかなり読みやすかったのも意外でした。
最初、別世界と書きましたが現代に通じる普遍的な要素もけっこうあったのが楽しめた理由なのかもしれません。
出版されて200年近く経つのに残っている文学ってやっぱり素晴らしいと改めて思いました。

ずっと気になっている『高慢と偏見』もいつか読んでみたいです。