はぴの本棚

2003年からの読書日記

林檎の木の下で (新潮クレスト・ブックス)作者: アリスマンロー,Alice Munro,小竹由美子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03/30メディア: ハードカバー クリック: 7回この商品を含むブログ (40件) を見る

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アリス・マンローさんの小説を読むのは2作目。
初めて読んだ『イラクサ』がとても印象に残ったのでこちらも楽しみにしていました。

10年にわたって書き綴られた自伝的短編小説だそうです。
スコットランドからカナダへ入植し、著者が生きる現在までつながってきた血族たちの物語。


登場人物がけっこう多く、現在と過去が入り混じって混乱した部分もあり、読み終わるまでにかなり時間がかかってしまいました。
メモを傍らに準備して系図みたいに書いて再読したらもっと楽しめそうです。
じっくり本に向かいたかったのに淡々と読み進めてしまったのが残念ですが、著者の自伝的要素とフィクションである小説がうまい具合にミックスした雰囲気には惹きつけられました。


特に印象に残ったのは「キャッスル・ロックからの眺め」「林檎の木の下で」「チケット」「家」


先祖の中にも物書きが得意なものや語り部をする人達がいたようです。
マンローさんにもこの血が脈々と流れ、受け継がれているのが感じられました。


国も時代も違う物語だったのにもかかわらずとても興味深く読めました。
それはやっぱり自分のルーツを探る旅というのが国や時代を超えたところで共通しているからなんでしょうね。


誰もが過去を振り返り、自分に連なる人々のことを知りたくなる時期が来るのかもしれません。

同い年の友人が祖父母からつながる系図を調べたという話を聞いたり、母方の祖父母から親戚が作った自分の名前も入った系図を見せてもらったことを思い出しました。