(偕成社ワンダーランド(28))" title="神の守り人 (偕成社ワンダーランド(28))">神の守り人 (偕成社ワンダーランド(28))作者: 上橋菜穂子,二木真希子出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2003/01/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (43件) を見る (偕成社ワンダーランド(29))" title="神の守り人 (偕成社ワンダーランド(29))">神の守り人 (偕成社ワンダーランド(29))作者: 上橋菜穂子,二木真希子出版社/メーカー
（315）（316）
今回の守り人シリーズは2冊組、読み応えたっぷりでした。
来訪編を読んで一度感想を書こうと思ったものの先が気になって結局帰還編までノンストップで読みました。
久々にこのシリーズを再開しましたが改めてすごい吸引力を持った作品だと思いました。
今回バルサとタンダが出会ったのはチキサとアスラの兄妹。
売られそうになっているところをバルサ達が助けます。
でもアスラはおそろしき神＜タルハマヤ＞をあやつる力を持っていて・・・
このタルハマヤの力が圧倒的で読んでいて恐ろしくなりました。
アスラを殺そうとする者、この力をうまく使って王国の役に立つよう仕向ける者・・・
ロタ王国を舞台に王家、王家に仕える隠密（カシャル）達、タルの民を巻き込んだ大きなうねりになっていきます。
この件に首をつっこんでしまったバルサとタンダはアスラを救えるのか？
結末が気になってページをめくるのがもどかしいほどでした。
でもアスラの最後にとった行動は、なかなかできるものではないなと思いました。
カミサマがすることだから・・・と欲望に身を任せることもできたし楽だったはず。
兄やバルサたちの願いもあったけれど、アスラ自身が心の奥底では気づいていたんでしょうね。
結局実は自分が傷つくんだってことに。
「〜命あるものを、好き勝手に殺せる神になることが、幸せだとは、わたしには思えないよ。
・・・・・・そんな神が、この世を幸せにするとも、思えない。〜」
バルサの言葉が胸に響きました。
なおさら母やシハナがアスラを追い詰めてしまったことに怒りを覚えます。
母はタルの民の幸せを願っただけでシハナに操られていたともいえるけれど・・・
シハナは頭が切れる女性だけれど、自分の計画のためなら手段を選ばない残酷な部分もあって怖かったです。
ひょっとしたら今後の登場もあるのかなと思いました。
タルハマヤの伝説がロタとタルではずいぶん違うものになっていたことでも分かるように、伝説や歴史は国や人の思惑によって大きくねじまげられるし、ロタの南北の民の暮らしから、富むものと貧しいものとの格差や差別は現代に通じるものばかり。
ファンタジーなんだけど現代に重ねて読むことができるリアルな部分が魅力だし、好きなんだなと思います。
神と政治のかかわりといえば、やはりアメリカ同時多発テロを少し連想しましたが、事件に触発されて書かれたわけではなかったんですね。
事件が起こる1ヶ月前には書き終えていたそうです。
それにしても時期がぴったりでびっくりしました。
ずっと揃えたいと思っていたこのシリーズ。
最初の『精霊の守り人』が文庫化されたのはすごくうれしかったです。
これから少しずつ買い集めていきたいです。
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すもも ＞ シリーズの中で、この巻が読後とても切なかったことを思い出しました。わたしも文庫本でそろえて、再読するのを今から楽しみにしています。 (2007/06/01 13:14)
ときわ姫 ＞ トントンさんは上橋さんの「獣の奏者」は読まれましたか？これと通じるテーマだと思います。
切ない話でしたが、シリーズの終わりの方でアスラたちは出てきますよ。シハナもね。 (2007/06/01 14:18)
トントン ＞ すももさん、おはようございます。一応解決とはいえるんだけれど、最後はとても切なかったですね。待望の文庫化だったので本当にうれしくて・・・いつか再読するのが楽しみです。
＞ときわ姫さん、「獣の奏者」はまだ読んでないんです。通じるテーマと聞いて早速図書館に予約することにしました。予約件数が意外と少なかったので早く回ってくるかも♪そして、守り人シリーズの終わりの方ではアスラたちが登場するんですね。やっぱりシハナも・・・これは楽しみです！ (2007/06/02 06:23)
chii ＞ 守り人シリーズ・・・気になりますね。文庫本が出たのね、図書館にリクエストもしやすくなりました。 (2007/06/02 20:37)
トントン ＞ chiiさん、こんにちは♪そうなんです、文庫版が出たんですよ。文庫の完結編が出版されるのはまだ時間がかかりそうですが、楽しみにしてます。chiiさんもいつか手にとってみてくださいね。 (2007/06/04 14:32)
