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2003年からの読書日記

眉山 (幻冬舎文庫)作者: さだまさし出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/04/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (51件) を見る

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母に借りました。
映画は観ていませんが、キャストは知っていたので本の登場人物達に重ねて読みました。

さだまさしさんの作品を読んだのはこれで何作目だったかな?
歌手としてのさだまさしさんのことは知っていますが、私の印象は歌手というより作家になっているような・・・
読み始めると誰が書いているということは全く気にならず、物語に入り込んでしまっていました。

母が末期癌で死が近いと知った娘の咲子は東京から故郷の徳島に戻ります。
母はもともと東京の人でしたが、徳島で女手一つで店を切り盛りし、咲子を育ててきました。
何でも自分のペースで決めてしまう人で、以前パーキンソン病にかかった時も相談せず店を畳み、ケアハウスに入ることにしたり、今回は死後の献体も咲子に相談せず決めてしまっていました。
なぜ献体をしようと思ったのか?まだ見ぬ咲子の父親はどうしているのか?
母の想い、娘の想いが胸に迫る物語でした。

私は咲子の年齢に近いので自然と娘の目線で読んでしまいました。
こんなにできた母がいたら誇りにも思うけれど、コンプレックスを抱く気持ちも分かる気がします。
何でも自分で決めてしまう母、気風がよくて人に頼られる母、体がどんなに辛くても泣き言を言わない母・・・
もっと娘に弱みをみせてくれてもいいのに、頼ってもいいのにと思ってしまう気がします。
でも一転、母親の気持ちになると自分の思うように生きたい、自分で決めたいという願いも分かる気がして複雑な心境でした。

でも、本当にお龍さんはかっこよかったです。
病院で医者と看護婦にはっきり物言う場面では、よくぞ言ってくれた!という感じでした。
胸がスーッとしました。
寺澤医師が変わるきっかけにもなったのもよかったです。

要所、要所で阿波踊りの歌詞が登場しますが、それも印象的でした。
阿波踊りを見に行く場面ですれ違う一瞬の想い・・・
男性と女性の違いが大きく出ている場面だったように思います。
徳島の阿波踊り、生で見たらとても素敵でしょうね。
この物語を次は映像で見てみたいと思いました。

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さくら > こんにちは。
私は映画→原作の順番でした〜ちょっと失敗。反対だったら良かったのに、本を読んでももう映画のキャストが浮かんできて、ちょっとした違いが気になったり・・
母と娘の関係がとてもいいですよね、お龍さん最初から最後までかっこいいです! (2007/06/04 18:47)
トントン > さくらさん、おはようございます。映画→原作の順だったんですね。たしかに映画からだと原作と別物だと思っていてもキャストが浮かびますよね。映画は観てなくてもキャストは知ってたので時々浮かんできたくらいですから。母と娘の関係は自分と母を想像したりして色々考えてしまいました。お龍さんは素敵ですね。本当にかっこよかったです! (2007/06/05 07:01)
ゆんゆん > 皆さんがアップされるたび読んでみたいと思いが募る本です。トントンさんの日記よりますます読んでみたくなりました。 (2007/06/05 14:18)
トントン > ゆんゆんさん、おはようございます♪内容は詰まってる感じでしたが、ページ数はそんなに多くないので、けっこうすぐ読めましたよ。ますます読んでみたくなったという言葉すごくうれしかったです^^ゆんゆんさんもぜひ♪ (2007/06/06 05:56)


[★★★★][エッセイ・ノンフィクション][日本の作家(ア行)]

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

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以前かなり話題になっていた食品添加物の本です。
私も少しずつ食事に気をつけるよう心がけるようになったので、参考になるかなと思って読んでみました。

著者はかつて食品添加物の専門商社でトップセールスマンだった方。
自分が開発したミートボールを我が子が食べていたのを見た時愕然としたという話にまずびっくり。
他の消費者はよくて、自分の家族には食べさせたくないものだった・・・というのは正直かなり腹が立ちましたが、翌日会社をスパッと辞めたところはすごい決心だと思います。
それからは講演活動で食品添加物のことを多くの人に分かりやすく説明したり、こうやって本を出版することでさらに多くの人が食品添加物を知るきっかけになったのはよかったです。

添加物は毒性など闇の部分が大きくクローズアップされますが、現代の食生活にとってなくてはならない魔法の粉でもあります。
「食品を長持ちさせる」
「色形を美しく仕上げる」
「品質を向上させる」
「味をよくする」
「コストを下げる」
など光の部分もあるという点は確かにそうだと思いました。
忙しい現代人にとっては安くて、手軽で、便利な食品は欠かせないものなので、完全に食品添加物をなくすのは無理な話かもしれません。
最後は結局自分がどこまで許せるか、という部分なのかなと思いました。

<知ってよかったこと>
・添加物の単品ではマウスで実験されていますが、添加物は複合で使われることがほとんどということ。
複合摂取の実験はまだされていない。

・低塩だから体によさそうとは限らない
・一括表示の裏側
pH調整剤、香料、イーストフード、乳化剤、アミノ酸等などは一括して書かれている可能性が高い

食品添加物とは、台所にないもの・・・素朴な疑問を持つことが大事

子どもには10年かけて教えるとありましたが、まず自分が変わることが大事だなと思いました。
食品添加物を完全に排除するのは困難なので、なるべく手作りを心がけて、添加物とは時と場合に応じてうまくつきあいつつ、子どもに我が家の味を伝えていきたいと思いました。

大手だから安心ということはないんですね。
この本を読むと特売のミートボールや明太子、漬物、ハム、練り物はあまり買えないなと思いました。
これ以外にも添加物たっぷりでまだ知られてない食品もたくさんあるんでしょうね。
食品業界の情報公開がもっと進むことを願います。

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ほっそ > こんにちは。私もこの本を読んだあと、すぐに「だしいり味噌」には決別? 「○○だし」の使用はなるべくやめるようにしました。 食事は毎日のことですから、毎日使うもの(調味料を筆頭に)くらいは気をつけたいと思います。 (2007/06/05 08:28)
ゆんゆん > 私も読んだあとトントンさんと同じような思いを持ちました。時と場合に応じて・・・本当にそう思います。お母さんの味がどの家庭も同じだったらと思うと少し寂しいですよね (2007/06/05 14:22)
トントン > ほっそさん、おはようございます。この本を読んだ後すぐ実践されたんですね。「○○だし」はうちにまだあるんですが、本を読んで使用は控えようと思いました。調味料、気をつけたいですよね!私も裏をよく見て、いいものを揃えるようにしていこうと思います。
>ゆんゆんさん、こちらにもありがとうございます。急に全部変えることは難しいし、やっぱり無理がきそうですよね。でも、ゆんゆんさんがおっしゃるようにお母さんの味がどの家庭でも同じというのは寂しいので、できるところから変えていきたいと思っています。 (2007/06/06 06:01)