はぴの本棚

2003年からの読書日記

ヒストリアン・II作者: エリザベス・コストヴァ,高瀬素子出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2006/02/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (60件) を見る

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相変わらず分厚いⅡでしたが、物語に慣れたのでⅠよりも読むスピードが俄然早くなりました。
スリルが増して先も気になり、どんどん読み進めた感じです。
でも最後まで夢中になるほどではなかったのが残念。
見返しに地図はあるし、きっと私の知識不足のせいですが、世界の歴史や名所をもっと知っていればなと思いました。
物語をたどって実際に世界旅行できたらきっと素敵なんでしょうね。

一番心に残った登場人物はロッシ教授。
ページの後半、あの状況で書かれた日記には夢中になってしまいました。

>〜私は衰えかけた精力をふりしぼって、最後の瞬間まで自分を失わないようにしよう。
人生に、歴史に、私自身の過去に、すこしでも良いところがあるなら、いまこそそれを呼び覚まそう。
これまで私の人生を彩ってきたありったけの情熱をこめてそれを呼び覚まそう。

精神的にも肉体的にも追い詰められているのに理性を失わないところはただただすごいです。
どんな辛い状況であっても最後まで自分を失わないようにしようとする・・・
こういう姿勢は少しでも見習いたいと思いました。
物語には直接関係ないエピソードかもしれないけれど、思いがけない時に、心に響く言葉が見つかります。
こういうところが読書の醍醐味であって好きなところです。

ドラキュラ伯爵のモデルになったといわれる人物ヴラド・ツェペシュのことは全く知りませんでした。
いまだに死の真相と亡骸のゆくえが謎というのも興味深いです。

そして最終的にあの本がまた彼女の手にやって来たということは、まだ物語は続いていくんでしょうね。
このⅡで終わりなのか続きがまた出版されるのか気になるところです。