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2003年からの読書日記

血族の物語〈上〉 (ポプラ・ウイング・ブックス)作者: ピーターディッキンソン,沢田としき,Peter Dickinson,斉藤健一出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2003/05/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る血族の物語〈下〉 (ポプラ・ウイング・ブックス)作者: ピーターディッキンソン,沢田としき,Peter Dickinson,斉藤健一出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2003/08/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品

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ピーター・ディッキンソンさんの作品は初めて読みました。
分厚い上下巻のファンタジーですが、とても面白かった!
上下巻ものって下巻まで読んで評価が決まることが多い私ですが、これはもう上巻を読んだ時点で星5つって決まってるくらい夢中になりました。
子ども達が主人公なのも児童書ならでは・・・よかったです。
上巻で年上の子ども二人(スーズ、ノリ)が1篇ずつ主人公になり、下巻では年下の子ども二人(コー、マナ)が同じように主人公になり物語が進みます。
子どもの目線で物語が進んでいくので夢中になって読めました。
そして合間にはさまれる「むかし話」も興味深くて、本編ともうまく連動しながら読めるのも楽しめました。

舞台は原始時代というのも、すごく興味がありました。
人類はまだ動物や魚を捕ったり、木の実や植物を採取して食べている時代。
火をおこして焼いて食べるのはまだいい方で、生のまま食べることも多かった頃です。
定住することはまだなく、食べ物を求めて住む場所を移動して生活しています。
言葉を話せる人々もいるし、そうでない人々もいる。
色々な種族がいて、自分達と違ってもなんとかそれを受け入れて仲間になったり、ある時は戦ったり・・・
時代は違っても異文化とのコミュニケーションという点では現代とほとんど変わりないなと思いました。

一番印象に残ったのは最後のマナの物語。
自分達の種族を守るためにはどうしても戦わなければいけないんだけれど、敵とはいえ人を殺してしまって葛藤するマナに感情移入してしまいました。
まさに「心のなかの傷」「魂の傷」になってしまうのですが、それは最後のマナの決断で癒されていきます。
平和を願うマナの気持ちがラストにふさわしく特に心に響きました。

想像して作った物語のはずなのにものすごく現実感があって、この時代はきっとこうだったんじゃないかなと思えるくらいでした。
ピーター・ディッキンソンさんの想像力はすごいです。
この作品で魅せられてしまいました。
これからも追いかけていきたい作家決定です。

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ときわ姫 > わあ、嬉しいです、トントンさんが5点評価!私もまだまだ追っかけ中です。一緒に追いかけましょう。 (2006/09/26 09:58)
トントン > ときわ姫さん、かなり分厚いけれど夢中になって読めました。最初から最後まで本当に面白かった♪次は何を読もうかと考え中です。 (2006/09/26 11:06)
すもも > 今日図書館に行って借りてきました。読むのが楽しみです♪ (2006/09/26 13:58)
トントン > すももさん、おはようございます♪もうだいぶ読み進んでいるでしょうか?感想楽しみに待ってますね。 (2006/09/28 08:18)