はぴの本棚

2003年からの読書日記

なまくら (YA!ENTERTAINMENT)作者: 吉橋通夫,佐藤真紀子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る

(274)
講談社のYA!ENTERTAINMENTシリーズの1冊です。
このシリーズは初めて読んだかも。

江戸時代〜明治初期だと思われる時代の十代前半の子ども達が主人公の短編集でした。

「つ」の字
なまくら

チョボイチ
車引き
赤い番がさ
どろん

どの子どももそれぞれに生活が厳しくて、辛い境遇に置かれています。
現代で考えたら本当に子どもなのに・・・
それがこの時代では当たり前だったのかもしれないけれど、大人と同じような力仕事をしていて、家族と離れている生活は寂しくてどうしても弱音をはきたくなるし、逃げたくもなるし道も外れそうになることもあるだろうと思いました。
でもどの子達もすごくたくましい強さがある感じがしました。
そして子ども達を支えてくれる大人が少しはいるのもよかったです。
それは親だったり、親方だったりするのですが、彼らの存在が大きいと思いました。
最後は少しほっとできるような話だったのもよかったです。
辛く厳しい現実だけど救われた気がしました。

「灰」の中で盗みを働いた半吉に紺六が言う言葉がとても印象に残っています。

子どもの前には生きていく道が何本も広がっていると話し、
「〜もし、道をまちごうたと思うたら、思いきって引き返し、べつの道をいくことや」
と言ってくれる大人の存在、いいなと思いました。

                                                                                                                                                              • -

nanao > このシリーズは知りませんでした。
今だからこそ感慨深いものがありますね。
今度探してみますね。
(2006/08/13 13:52)
トントン > nanaoさん、お返事遅れてしまってごめんなさい。このシリーズ私も最近知りました。今話題のあさのあつこさんや色々な作家がヤングアダルト向けに書いているようです。今回読んだ『なまくら』は時代物だったけれど他のは現代のが多いのかも。ぜひ探してみてくださいね。 (2006/08/16 14:51)
すもも > トントンさん、読まれたのですね♪ 気に入っていただけたようで、うれしいです。あさのあつこさんも、絶賛されていました。時代物でヤングアダルトというのも、めずらしいなと思いました。 (2006/08/17 19:07)
トントン > すももさん、おはようございます♪すももさんのおかげでこの本を知ることができてよかったです!あさのあつこさんも絶賛だったんですね。時代物でヤングアダルト、そういえば珍しいかも。またこういう話を読んでみたいなと思いました。 (2006/08/18 08:57)