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2003年からの読書日記

夜物語作者: パウル・ビーヘル,小笠原まき,Paul Biegel,野坂悦子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1998/04メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る

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お屋敷の屋根裏の人形の家でひっそり暮らしていた小人。
ある日美しい妖精が突然やって来ます。
一晩だけ泊まっていくという約束のはずだったのに、小人は毎晩少しずつ語られる妖精の話に引き込まれていき・・・

朝になって眠ってしまうと透明になったり、蜂蜜が好きという妖精。
結婚をして子孫を残して死にたいという願う妖精。
なんだか私の漠然と想像していた妖精像と違っていたのでこんな妖精もありなんだなと新鮮な気持ちで読みました。

小人はお屋敷を守って毎日の見回りを欠かさなかったのに、妖精の話に耳を傾けるうちに魔法にかかったようになってしまいます。
お屋敷は荒れ放題、平凡で規則正しかった生活が一変してしまいます。
途中までは淡々と読みすすめていた私も妖精の波乱万丈な話が気になって小人と一緒にもっと続きを聞きたいと思いながら読み進めました。

最後に妖精が気づいたこと・・・
長い旅をしてやっと自分のことを受け入れることができたのかな?
少し切なくて悲しい感じもしたけれど、結末もまだ続きがあるような感じでよかったです。

パウル・ビーヘルさんの作品、また読んでみたいと思います。

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露 > トントンさん、こんにちは。徐々にのめりこまされる物語でしたね。確かにこの妖精像は、面白かったです。不老不死を求める人間の話はよくありますが、妖精が死を求めるなんていうのも。
私的には、「ドールの庭」の方が断然面白かったので、パウル・ビーヘルさんの魔法にかかってしまわれたのなら、是非読んでみて下さい。 (2006/08/23 15:47)
トントン > 露さん、こんばんは♪まさに小人のように妖精の話にのめりこんでいくような感じでした。妖精が死を求めるというのはこれまで読んだことがなかったのでかなり衝撃だったんですよ。面白いなと思いました。露さんおすすめの『ドールの庭』もぜひ読んでみますね。 (2006/08/24 23:11)