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2003年からの読書日記

負け犬の遠吠え作者: 酒井順子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/10/28メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 185回この商品を含むブログ (276件) を見る

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以前世間で大ブームになったこの本、やっと母から借りました。

著者自身も負け犬とはっきり認めていて、自分を貶めつつ面白おかしく書いているんだけど、なんとなくその他負け犬を上から見ている感じがしてしまいました。
「負け犬」「勝ち犬」という言葉が乱立するのもあまりいい気持ちはしませんでした。
酒井さんの分類では私が勝ち犬だからそう思うのかもしれないですが。
負け犬や勝ち犬の中にも格差があって、現実そうなんだろうけど、それもなんだかなあという感じ。
人(日本人だけかな?)って「この人は○○」とラベルづけすると安心なのかも。
セレブ、下流ニートなど少し考えるだけでも浮かんできます。
でもこの本に限らず人をラベルづけすることって、分かりやすいけれどかなり狭い範囲でその人を決め付けてしまう恐れがあるように思いました。
これはすごく怖いことのように思います。
つい自分と他人と比べてしまうのが人間ですが、読んで納得しつつも常にう〜んという思いがしました。

あとがきでは「勝ちだの負けだのということが、ほとほとどうでもいいことのように思えてくる」ともあったのですが。

負け犬と少子化の部分はすごく興味深くて、今結婚している人や出産した人への対策は少しずつ進んできたけれど、未婚の女性への対策がまだ足りていないというのはたしかにそうだと思いました。
高学歴、高収入の「高」の女性と低学歴、低収入の「低」の男性が余っている・・・というのも、それじゃあ結婚したいと思う女性は減るだろうなと納得できました。
昔のように結婚・出産が当たり前という風潮はだいぶ薄れてきたし、女性の選択肢も広がってきたけれどまだまだ負け犬への風当たりは強いんですよね。

コラム・オスの負け犬も興味深く読みました。
オスの負け犬とは〜
・あまり生身の女性には興味のない人・・・オタ夫
・女性に興味はあるけれど、責任を負うのは嫌な人・・・ダレ夫
・女性に興味はあるけれど、負け犬には興味のない人・・・ジョヒ夫
・女性に興味はあるけれど、全くモテない人・・・ブス夫
・女性に興味はあるけれど、単にダメな人・・・ダメ夫

それぞれの説明も詳しくされているのですがなるほどと思いました。

この本で負け犬という言葉は世間に完全に認知されて、色々考えるきっかけになったのはよかったと思います。
負け犬が増えるのは色々な原因が絡まり合っているのも分かりました。

酒井さんはかなりよく勉強していて、文章もうまいと思いました。
この人の他の著書も読んでみたいです。

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ゆきみ大福 > 私はこれなぜか好きなのですが、本当に「遠吠え」ですよね(笑)何を言っても。「負けるが勝ち」の精神で書いてるのだろうから「負け犬」なんて言ってるけどこれはある意味開き直って勝ちに行ってるんだとも思います。私は子なし主婦なので勝っても負けてもいないんですよね。なのでどっちの気持ちも理解出来て面白かったです。 (2006/05/30 15:55)
kanakana > この本の定義からいけば、立派な負け犬です、私(笑)ベストセラーになるのがわかる気がするなぁ。30代独身女性の心境をすごく突いているんですよ。 (2006/05/30 19:59)
トントン > ゆきみ大福さん、こんばんは♪私もすごく興味深く読んだのですがどうも好きまではいかなくて・・・うん、うん、まさに「遠吠え」でしたね(笑)「ある意味開き直って勝ちに行っているんだとも思う」というのはすごく分かる気がします。これは読む人によってすごく感想が左右されそうな本ですね。また皆さんの感想を読ませてもらおうと思いました。
>kanakanaさん、こんばんは。私もこれ、ベストセラーになるの分かる気がしました。酒井さんは自分の立場も絡めながらユーモアも交えつつ分かりやすく書いてますよね。よく勉強されているようだし、本当にそうだと思う箇所もたくさんありました。30代独身女性の心境をすごく突いてるんですね!私は結婚して子どもがいるけれど、年齢では重なるので分かる部分もけっこうありました。酒井さんには「所詮勝ち犬には分からないのよ〜!」って言われるのかな(笑) (2006/05/30 23:35)
ケイ > こんばんは〜この本を読んでいないのに、トントンさんの感想にそうだなあと共感しています。勝ち負けって、どこで決まるのかなあと思いつつ、興味をもってしまうんだろうね。きっと。若い人たちは。おばさんの感想♪でした。実感を伴うから、売れるんだね。勝ち負けが終わっちゃってる、引退主婦でもそう思います。。爆。たまにはこんな本もいいよね。お母様、いろんな本を読まれるんですね。いいなあ。幅が広くて。またね。。 (2006/06/01 23:30)
トントン > ケイさん、こんばんは♪この本かなり話題になりましたよね!勝ち負けって、ついつい興味を持ってしまうんだけど、なかなか簡単には決められるものではないですよね。でも共感する部分ももちろんあってあっという間に読めました。これだけ売れたってことは共感する女性がたくさんいたんですよね。母はけっこう幅広く買っているんだけど、かなりの積読山脈のようです(笑)自分の読まないような本があってよく利用させてもらってます^^ (2006/06/02 19:16)
ミワ > ブックオフで100円で見つけて積読中なんです^^;
なのにケイさんと同じく、そうだなあと思ってトントンさんの感想を拝見しました。
>「この人は○○」とラベルづけすると安心なのかも。
まさにそうなんですよね。 (2006/06/03 17:31)
トントン > ミワさん、おはようございます。この本、手元にあるんですね。ラベルづけ、そうなんですよね。なんとなく安心してしまうんだけど、その人を決めつけちゃうような気もして・・・ミワさんの感想も楽しみにお待ちしてますね。 (2006/06/04 10:06)
ほっそ > トントンさん、こんにちは。この本の関連として対談集があります。こちらも面白かったですよ。タイトルは「先達方の御意見」(うろ覚えですみません)買うほどでもないと思いますので、図書館で見つけたら手にとって見てくださいね。
(*^_^*) (2006/06/04 11:12)
トントン > ほっそさん、おはようございます♪対談集があるんですね。ご紹介ありがとうございます。また図書館で探してみようと思います。 (2006/06/06 07:07)
ゆんゆん > 私は、この本が出た頃、トントンさんの仰るラベル付けのような気持ちを持ちなかなか手が出ずにいました。でもあとがきに勝ちだの負けだのどうでもよいことのように思える・・・との下りに何だか好感を持ちました。オスの負け犬編があるのですね・・・知らなかったです。自分の生きていく道は人とは違っても信念を持って進みたいなぁと思うこの頃なのですが・・・ (2006/06/06 13:10)
トントン > ゆんゆんさん、こんばんは♪私も同じような理由で、この本には長い間手が出なかったんですよ・・・ゆんゆんさんもひょっとしたら読むと印象が違うかもしれないですね。オスの負け犬編はコラムのところで簡単に紹介されていたくらいでしたが興味深かったですよ。「自分の生きていく道は人と違っても信念を持って進みたい」という言葉、本当にその通りですよね! (2006/06/06 23:02)
すもも > トントンさん、わたしは途中から、読み飛ばしてしまいました。もっと若いときだったら、もっとちがった読み方ができたと思います。タイトルは、インパクトありましたね。だれも触れなかった切り口だったからだと思いました。 (2006/06/07 17:04)
トントン > すももさんも読まれてたんですね。そうそうこれだけ流行になったのは内容もあるけれど、タイトルも大きかったんじゃないかと感じました。
>だれも触れなかった切り口
そうですね!ここまでズバッとは今までなかったかもしれないですね。 (2006/06/08 09:43)