はぴの本棚

2003年からの読書日記

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)作者: アンドレイ・クルコフ,沼野恭子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/09/29メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 68回この商品を含むブログ (163件) を見る

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最近苦手意識がなくなってきたので海外小説を読む機会が増えました。
クレストブックスのシリーズは装丁も素敵だし、内容も気になるものが多く、いくつかチェックしています。

ペンギンがペットという物語、読み始める前からわくわくしました。

売れない短編小説家のヴィクトルは、新聞の死亡記事を書く仕事を引き受けることになります。
でも、それは著名な人物が亡くなる前にあらかじめ死亡記事を書くというものでした。
書き始めてしばらくすると死亡記事を書いた人達が次々と亡くなっていき・・・

けっこう人が亡くなるし、サスペンスっぽい感じなのですが、ヴィクトルのペットのペンギンが登場していることと、(このペンギンが憂鬱症というのがおかしい)ギャングの娘を引き取ることになってしまい、その娘との日々がなんともいえない感じで、ブラックな中にもどことなくユーモアが感じられる物語でした。

でもこのヴィクトル、ちょっと寂しい人だという印象を受けました。
物語の舞台となったウクライナの首都キエフの情勢もあるんだろうけれど、なんとなく冷めた感じで自分の意思とは関係なく、流されて生きている感じ。
そんな中でもペンギンは心を許す存在だったのかなと思いました。

読んでいるうちにヴィクトルにだんだん危険が迫り、最後はどうなるのかと緊張しながら読み進めました。
結末は予想できなかったけれど、あれでよかったのかもしれませんね。

新聞の死亡記事って亡くなる前に書いておくもの?
たぶんないだろうけど、読んでいてふと考えてしまい、そんなことを考える自分にちょっとドキッとしました。

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nanao > これ、読んでみたいと思ってるんですよ。
ウクライナが舞台で、ペンギンなんてね、面白そうだったんで。
やはり、面白いようですね。
(2006/02/23 23:28)
トントン > nanaoさんもチェックされてたんですね。私はペンギンが登場するのでもっとほんわかした物語を想像していたんですが、少しブラックでサスペンスな感じでちょっと驚きました。nanaoさんの感想も楽しみにしてますね! (2006/02/24 14:31)