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2003年からの読書日記

バカの壁 (新潮新書)作者: 養老孟司出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/04/10メディア: 新書購入: 13人 クリック: 371回この商品を含むブログ (587件) を見る

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2〜3年前にベストセラーになった新書です。
母から借りました。
ベストセラーと聞くとあまのじゃくな私は読みたくなくなるのですが、この本はずっと気になっていたので読めてよかったです。

これは養老さんの語った話を編集部がまとめた本です。
すごくインパクトのあるタイトルですが、これは著者が最初に書いた本からとったものだそう。

>結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない。
つまり学問が最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ。
>自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。
ここに壁が存在しています。
これも一種の「バカの壁」です。

要するに自分が知らず知らずのうちに壁を作っているということなのかな?

「わかっている」と安易に思っていることの怖さも述べられていました。
テレビを見ただけで「わかっている」「知っている」と思っってしまう私達。
それは本当にわかっているとはいえない・・・
言われてみるとたしかにそうだなと感じました。
現代は入ってくる情報が受け止められないほど増えたし、そのせいで「わかっている」と思い込んでしまうのかもしれません。

あと個性についての第3章は印象に残りました。
「個性を伸ばせ」という欺瞞・・・なるほどと思いました。
共通理解を求められるのに、一方で個性も発揮しろという社会。
私が学生時代にも個性が大事とよく言われていましたが、出る杭は打たれるというのもあるし、「目立たないのが一番」とずっと思っていたので、これを読んで「個性的って何?」どこか変だと思っていた部分が少し分かったような気がします。
>個性は脳ではなく体に宿っている
目からウロコでした。

あと第4章の万物流転、情報不変も面白かったし、第7章の教育の怪しさも興味深く読めました。

新書は滅多に読まないので難しい感じがしましたが、思ったより読みやすく、知識が増えたような気になりました。
たまには頭の違う部分?を使う読書もいいですね。
母から借りているもう一冊の新書『読書力』もいずれ読みたいです。

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北原杏子 > お母さんから本を借りられるなんていいですね。羨ましいですよ。違った分野の本が読めて… この本、以前小児科においてあったのをちらりと読んだことがあったんですが、けっこう面白いかもと思いました。 (2005/10/30 01:15)
ケイ > こんばんは〜たまには頭の違う部分をつかう読書。そうなんですよね。新書って、おもしろい本が、いっぱいありそうです。。 (2005/10/30 21:29)
トントン > 北原杏子さん、こんばんは。私と母とは読む本がけっこう似てるんですが違った分野もたまにあるんですよ。貸し借りできてとてもうれしく思っています。これ小児科に置いてあったんですね〜けっこうすぐに読めるので機会があれば読んでみてくださいね。
>ケイさん、こんばんは。新書ってほとんど読む機会がなかったのですが意外と面白いかも?って思いましたよ。楽しむ読書の合間に考える読書もいいですよね! (2005/10/30 23:00)
よう > お久しぶりです♪実はこの本まだ未読です。読んでみるべきですね!出る釘は打たれるか……私が一番苦手とする言葉です。何だか…打たれて生きてばかりきた気がするので…。新書はおもしろいですよね。私は今、「夢」と「ことばと文化」を読んでいます。どちらも面白いです。 (2005/10/31 15:47)
キイロイトリ > 新書、私もあまり読まないのですが、この本は話題の本なので気になりますね。教育の怪しさ、個性の発揮、わかる怖さ、のあたりが読んでみたいです。 (2005/10/31 21:31)
トントン > ようさん、お久しぶりです♪出る杭は打たれる・・・これは読んでいてふと浮かんだだけなので、内容とはちょっと違うかもしれません。ようさんは新書をよく読まれるのかな?「夢」「ことばと文化」の感想も聞いてみたいです。
キイロイトリさん、話題の本って聞くと気になりますよね。思ったよりサラッと読めてしまう本なので機会があればぜひ手にとってみてくださいね♪ (2005/11/01 20:43)