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2003年からの読書日記

てるてるあした作者: 加納朋子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2005/05メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (136件) を見る

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これは続編になるのかな?
この本単独でも楽しめますが、先に『ささらさや』を読んでいた方が楽しめると思います。
これまでの登場人物のことがより分かるので。
『ささらさや』を読んだ時、さやの気弱さ、頼りなさにもどかしさを感じたので、(本プロでもそんな感想が多くあったように思います)これは読むのをちょっと迷いましたが、読んでよかった!
最後の方は泣いてしまいました。
『ささらさや』だけ読んで躊躇してる人はぜひ読んでもらいたいです。

今回の主人公は雨宮照代という中学を卒業したばかりの少女。
ある事情で両親と離れて佐々良の町にやって来ます。
母から遠い親戚だといわれた鈴木久代さんのところでお世話になることに。
この久代さんは前回も登場したおばあさんの一人。
もと先生だった久代さんの家に居候することになります。
久代さんは近所で密かに魔女とあだ名をつけられているちょっと怖い人物。
でも頼れるのは彼女だけなので文句は言えない。

自分の以前の暮らしとは全然違ってなかなかなじめず、急に降りかかってきた不幸な境遇に不満だらけの照代でしたが、佐々良で色々な人に出会い、暮らしていくうちにたくさんのことを学びます。
今回もまた幽霊が出てきて重要な役割をしているのがポイントです。

最初の方は照代のふて腐れた感じとか、苛立っている様子に、読んでいてムカムカしましたが、佐々良で少しずつ成長していくのには好感が持てました。

知らず知らず大人目線で読んでしまいましたが、照代はまだ中学を卒業したばかりなんですよね。
そう思って読むと一人で全然知らない町に来て戸惑うのは当然だろうし、苛立ったり、考えが幼いところがあるのは仕方なかったのかも。
だから照代が変わっていく様子は本当にうれしかったです。
短期間でぐっと成長した照代ですが、悲しい別れが待っていました。

友情、働くこと、地域の触れ合い、虐待の問題、老い、死など色々なことが盛り込まれていましたが、読後感はよく、さわやかな風が吹いていったようなすがすがしさを感じました。

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EKKO > トントンさんも星5つですね〜私もこれはとても良かったです。ラストは涙があふれました。「ささらさや」とは違ってミステリ要素はなくて、少女の成長物語でしたね。加納さん、こういう物語もとても巧いなぁ、と思いました。 (2005/10/22 13:42)
トントン > EKKOさん、私もラストは涙、涙でした。本当によかったですよね。EKKOさんが日記で本文の引用をされていたところ、私もお気に入りです♪加納さん、さすがだなと思いました! (2005/10/23 15:34)
ゆんゆん > トントンさん、こんばんは。以前に読んだ「ささらさや」とても印象に残っているのです。「てるてるあした」も素敵なお話のようですね。読んでみたいです。 (2005/10/24 21:29)
トントン > ゆんゆんさん、こんばんは。今回はさやは脇役って感じですが、前作よりも成長しているのを感じましたよ。こちらもすごくよかったのでぜひ読んでみてくださいね! (2005/10/25 20:56)
キイロイトリ > この本、図書館に入ってて、前作の「ささらさや」が入ってなかったので読むのをためらっていました。単独でも楽しめる、ということで読んでみたいなぁと思いました♪おもしろそうですね。 (2005/10/31 21:34)
トントン > キイロイトリさん、こちらだけでも大丈夫だと思いますよ。もちろん前作を読んでいたらより詳しく分かるところもありますが。私もだいぶ前の内容を忘れていたのですが、十分楽しめました^^ (2005/11/01 20:39)