はぴの本棚

2003年からの読書日記

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)作者: ヘレーン・ハンフ,江藤淳出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1984/10/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (38件) を見る

(205)
本プロで知り、借りました。
副題に「書物を愛する人のための本」とあります。
手紙だけで成り立っている本です。

チャリング・クロス街84番地はイギリスの古書店マーク社の場所。
そこへニューヨークに住む読書好きな女性ヘレーンが手紙を出し、古本を注文するのをきっかけに20年にわたる交流が始まります。
手紙は現実に出されたものかフィクションか分かりませんが、やり取りが重なるうちに交流が深まっていき、ヘレーンが感謝の気持ちで折々にプレゼントを贈ったり、マーク社がヘレーンの好みの本を見つけて送ったりなど、温かくうらやましいような関係が築けているのが素敵でした。

マーク社みたいに良心的で自分にぴったりの本を見つけてくれる、オーダメイド(?)な本屋さんがあったらどんなに素敵だろう!
私もマーク社のような古本屋に行ってみたくなりました。

ヘレーンやマーク社の人々の本への愛情があちこちに感じられ、本っていいな、読書っていいなと思えます。


気になった文章もいくつもありました。

まずヘレーンが古本の特に好きなところをあげた部分。
「前に持っていた方がいちばん愛読なさったページのところが自然にパラッと開くような本なのです」
これは図書館や人に借りた本でも言えるかもしれません。


友人に対するヘレーンのこういう文章にもドキッとしました。
二度と読まない本を捨てたりあげてしまうヘレーンにあきれる友人達ですが、
「彼らはベストセラーというと全部読んでみますし、しかもできるだけ早く読み通してしまうのです。
ずいぶん飛ばし読みをしているのだと思います。
そして、どの本もけっして読み返すということがないので、一年もたてば一言だって覚えていません。」
けっこう鋭い指摘です。

図書館の期限があるのでたくさんの本を急いで読むあまり、じっくり大切に読めていなかったんじゃないか?
何度も読み返すような時間作ってないなあ・・・と自分の読書を振り返って反省しきりでした。

ゆっくりかみ締めるように読む時間を大切にしたいと思いました。

評価は3にしましたが、それは私の知識のなさによるものかも。
手紙に登場する本のほとんどを知らなかったので、それらの本のよさを感じられなかったのが残念でした。

                                                                                                                                                              • -

ぱせり > トントンさん、読まれたんですね。トントンさんが引用されたところ、わたしも好きです。古書の好きなところ、今まで考えて見なかったけど、ああホントにそうだなあ、と思いました。友人の読書に対する指摘もどきっとしました。鋭くて、身につまされるものがありました。本を捨てることや売ってしまうことに罪悪感を感じていたけど、一度、ゆっくりと本棚整理したいなあ。
マーク社みたいな本屋さん、ほんとにいいですよね。こんな本屋さんに出会いたいです。しかし、わたしも、この手紙に登場する本、知らない本ばかりでした♪ (2005/08/25 07:09)
あさがお > こんばんは♪この作品大好きです!私も手紙に登場する本はほとんど知らなくてその辺はとっても残念でした。でもヘレーンやマーク社の人々の本を愛でる気持ち、そこから拡がる優しさに心がほこほこしてきます。本当にこんな本屋さんがあったらどんなにいいだろう。私もぱせりさん同様、本棚を整理したくなってきました。昔の自分が愛読したページはうっかり涙のあとが残ってたりするので、貸したり売ったり出来ません(笑) (2005/08/26 01:34)
トントン > ぱせりさん、本を愛する気持ちがあふれているような交流でしたね。ぱせりさんの日記をさっき読ませていただいたんですが、「逢いたいけど、逢いたくなかったんじゃないか?」という意見にはハッとしました。手紙でのいい関係を壊したくなかったのかもしれませんね。本棚整理、私もなかなかですが、ゆっくりしていきたいと思いました。
あさがおさん、こんにちは。マーク社みたいな素敵な本屋さん、ぜひ近くに欲しいですよね♪この本を読んだらなんだか古書店街に行ってみたくなりました。本棚整理、本好きにはなかなか大変な作業ですよね。あさがおさんの涙のあとが残ってる愛読書ってどんな本だろう?すごく興味あります。 (2005/08/27 11:05)
たばぞう > これも本に対しての思いがこもった素敵な本ですよね〜。私は彼らほどの本好きではないと思いますが、本プロは私の中の小さな「チャリング・クロス街84番地」って感じかも(笑)。トントンさんや皆さんと本の話が思う存分できて、和みます。 (2005/09/10 13:51)
トントン > たばぞうさん、お久しぶりです♪
>本プロは私の中の小さな「チャリング・クロス街84番地」
まさにそんな感じですね。好きな本のことを語れる本プロという場所、貴重だなと思います。
(2005/09/11 21:09)