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2003年からの読書日記

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))作者: フィリパ・ピアス,スーザン・アインツィヒ,Philippa Pearce,高杉一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/06/16メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 54回この商品を含むブログ (100件) を見る

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ピーター(弟?)がはしかにかかり、隔離のためアランおじさんの家に預けられたトム。

一緒に遊ぶ友達もなく、庭もないので退屈した日々を過ごしていましたが真夜中に13も時を刻む古時計の音を聞いたことから、昼はなかったはずの不思議な庭園に出ることを知ります。

そこは19世紀当時あった庭園のようで、豊かな自然にあふれていました。
訪問する度、庭は季節が変わっていたり、時間が遡ったり、進んでいたり・・・
トムの姿は人々に見えないらしいので、夢中になりあちこち探検します。
しかし、ハティという少女はトムの姿が見えるらしい。
彼女と知り合い、いい遊び友達になります。

トムが庭園に夢中になって夜中抜け出すシーンや、豊かな自然の描写が幻想的で素敵でした。
またトムがピーターに書く秘密の手紙(ヨンダラ、モヤセと書いてある)も面白い。
理論好きなおじさんとトムのすれ違いのやりとりもこっけいだったし、トムを気遣うやさしいおばさんもよかったです。

後半、ハティが成長するにつれてトムと気持ちがすれ違ってしまうところは大人になってしまったから仕方ないけれど寂しいと思ってしまいました。
ハティから見えるトムの姿が薄くなっていったのは彼女が成長して興味や関心が別のものに移ってしまった事が関係あったんでしょうね。
トムが家に帰る日が近づいて、とうとう庭に行けなくなってしまった時は切なかったです。
でも最後トムは思いがけずハティと再会できてよかった。
あの場面があったことでかなり満足できました。

真夜中の庭園は著者が実際過ごした父の邸宅を写実に再現したものだそうです。
だからイチイの木やモミの木、美しい花々などが生き生きと描かれていたんですね。

>「私たちはみんな、じぶんのなかに子どもをもっているのだ。」
という、あとがきの<作者のことば>が印象に残っています。

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ぱせり > とてもとても好きです。ハティ大好きです♪ ラストでの再会がいいですよねー。
何度か再読したのですが、何度目かに読んだ時、バーソロミューおばあさんが眠っている場面が妙に心に引っかかりました。べッドの脇のコップのなかで入れ歯が月の光に光って…みたいな文章です。なんだか残酷な描写だなあと思いました。女性が女性の末路(?)をこんなに残酷に書くんだーみたいな感じで印象に残りました。 (2005/04/08 13:40)
すもも > わたしも大人になって読みましたが、何度でも、読み返したくなる本ですよね。 (2005/04/08 17:01)
カルミア > トントンさん、読まれたんですね! ハティとトムのラストいいですよね。途中忘れちゃってる、再読したいです。時間をモチーフにしたお話、好きなんです。老人と子どもテーマのも。グリーン・ノウもよければぜひ♪ (2005/04/08 20:28)
北原杏子 > ああ、懐かしいですね。私は幸運にも子どもの頃(小学校の高学年ぐらい?)に読みました。その頃は読むものが少なかったせいもあってか何度かは読んだと思うけれど、大人になってからはご無沙汰していました。カルミアさんのUPされたグリーン・ノウもそうですが、時々無性に子供の頃に出会った本に立ち戻りたくなるんです。時間がなくて&新しい本の波に押されて、なかなか出来ないんですが。いつか子育てとか終わって、本当に自分の時間がもてるようになれたら再読の旅に出てみたいです。 (2005/04/08 22:52)
トントン > ぱせりさん、ハティかわいいですよね♪最初トムと出会ったときに「私は王女よ!」というところがちょっと生意気な感じなんだけど気に入ってます。バーソロミューのおばあさんの眠っている描写・・・私もギョッとしました。入れ歯までくわしく書かなくてもいいのにって(笑)老いをクローズアップさせたかったのかな?
すももさんも大人になって読まれたんですね。子どもの時読んでたらどんな感想になったのか興味がありますが、大人になってから気づくこともあるんでしょうね。また再読したい本になりました。
カルミアさん、すごくよかったです。有名だからどんな物語なのか気になってたんですよ。名作と言われるのも分かります。ラストも心が温まる感じでした。時間をモチーフにした話といえば「モモ」が印象に残ってますが、カルミアさんのおすすめ何かありますか?グリーン・ノウもぜひ読んでみますね! (2005/04/08 22:58)
トントン > 北原杏子さん、ちょうど同じ時間帯に書いてたんですね!時間がなくて&新しい本の波に押されて〜って最近特に痛感してます。子どもの頃読んだ本やお気に入りを再読する時間欲しいですね。私も子育てが一段落してからだろうけど楽しみだなと思います。 (2005/04/08 23:03)
北原杏子 > またお邪魔します。タイム・ファンタジーということで、私が真っ先に思い出すのがアントニア・バーバという人の書いた『幽霊』という作品です。古い作品なのでいまでも手に入るかどうかは?ですが。イギリスの古い屋敷で幽霊になっていた100年前の子どもたちを助ける、という内容ですが、私は『トムは真夜中の庭で』とセットのようにして記憶してました。いま読んだらどうなのかは?ですが。ご参考までに… (2005/04/08 23:31)
カルミア > またまたおじゃまします♪「モモ」も良かったですね! タイムもので私が読みたいのは、アトリーの「時の旅人」。また、おすすめはジョーン・ロビンソンの「思い出のマーニー」です。タイム・スリップ的なのでは、スーザン・クーパーの「影の王」も読みました。(参考ということで、お読みにならなくていいんですよ〜)
北原さんのおすすめのタイム・ファンタジー、知りませんでした。ありがとうございます! (2005/04/09 19:02)
トントン > 北原杏子さん、『幽霊』初めて聞きました。あらすじを
聞いただけで面白そう!図書館で探してみますね。ありがとうございます♪
カルミアさん『時の旅人』タイトルはなんとなく聞いたことがあります。読んでみたいです!おすすめの『思い出のマーニー』『影の王』も探してみますね。色々読みたい本が増えてうれしいです。ありがとうございます! (2005/04/10 10:34)
ケイ > トントンさん、こんにちは。
私が読みたいなと思ってる本がいっぱい。それにしても、このトム〜は、一度挫折してしまっているので、、次回は注意しなきゃ。時の旅人、この本も読みたいです。皆さんの評判を聞くと、この本も再挑戦したくなってきました。杏子さんのように、こども時代によんでもう一度、、いいですね。私はもっと読んでおけばよかったなあと思うことが多いので。今、メモしておこう。
レスありがとう。またよろしくお願いします♪ (2005/04/10 15:22)
トントン > ケイさん、こんばんは。ぜひ再挑戦してみてくださいね!一冊の本からまた他の本に興味が広がっていくのってすごくうれしいです。皆さんとこうしてお話させていただいて、知らない本を教えていただいて読みたい本がどんどん増えてます。再読もいいですよね♪ケイさん、こちらこそこれからもよろしくお願いしま〜す! (2005/04/10 23:10)
たばぞう > この有名な本を何年積読していることでしょう!。子供の頃に読まれている方も多くて羨ましいです。私も自分の中の子供を捜しに、この本を読んでみなくては。 (2005/04/17 13:43)
トントン > たばぞうさん、お久しぶりです!私も大人になって読む児童書が多いので子どもの頃読んだ方のことはすごくうらやましいんですよ。幻想的で素敵な物語だったのでぜひ読んでみてくださいね♪ (2005/04/17 22:55)