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2003年からの読書日記

イッツ・オンリー・トーク作者: 絲山秋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/02/10メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (143件) を見る

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本プロで絲山さんの本がよくUPされているので試しに読んでみました。
読みやすい文章を書く方だなとまず思いました。
さらさら読める、気づいたら終わってた・・・そんな感じ。

私は登場人物に共感できるかできないかで評価が決まると、今回改めて実感!
2作品を平均して星3個にしました。

「イッツ・オンリー・トーク」☆2
う〜ん、まず主人公の優子に全く共感できなかったです。
新聞社で働いていましたが精神病院に入院、薬を飲み続けているんだけれど、セックスを誰とでもしてしまうというのも病の一種?

「好き嫌いはあまり関係ない、淋しいとかじゃない、迷わない、お互いの距離を計りあって苦しいコミュニケーションをするより寝てしまった方が自然だし楽なのだ」
この部分でえ〜っ!とひいてしまいました。
小説だからとは分かってるんだけれど、この主人公がどうも好きになれなくて。

出てくる登場人物みんな癖があり、痴漢とも交流があるんだけれど受け取る人によっては「痴漢と分かり合えることもあるのね」って取られそうです。
痴漢って犯罪だし!!同意の上だからいいのかな?
小説の世界だから本気にする人はあまりいないし、大丈夫だとは思いますが・・・
ラストもよく分からず消化不良のまま終わりました。

「第七障害」☆4
乗馬の県大会で落馬し、自分も怪我、馬も安楽死させるしか方法がなく、自分が馬を殺したという罪の意識が抜けない順子。
乗馬をやめ警察官の恋人とも別れ、群馬から東京へ出てきます。
そこで乗馬クラブでライバルだった篤と再会。
逃げている自分と向き合って少しずつ回復する様子がよかったです!

絲山さんは両極端の作品が書ける作家ですね。
もう少し追いかけてみようと思いました。

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ミワ > こんばんは!トントンさん、一緒です。わたしも『第七障害』がよくって。でもおっしゃるように絲山さんは両極端が書ける方なんだなぁと気づきました。新刊が出る(もう出たかも、新刊チェックできてなくて・・・)とうかがったので楽しみに待ってるところなんです♪ (2005/02/21 19:57)
トントン > ミワさん、本プロのみなさんの感想ものぞいてきましたが「第七障害」の方が好きという方が多かったですね。好評価の「アーリオ・オーリオ」もいずれ読みたいと思ってます!新刊をamazonで調べたら近日発売となってましたよ。タイトルは「逃亡くそたわけ」だそうです。 (2005/02/22 22:30)
やりさん > こんにちは!私も読みました〜。確かに!優子の性生活や考え方は謎でした★病んだ心は簡単には癒えないんか・・・なんて、結構読んでるこっちが沈んでしまいました。考えすぎなんですけどね。優子はあっけらかんと過ごしているし。「第七〜」は良かったです!私も絲山さん作品は初でしたが、他の作品も読んでみたいです。 (2005/04/14 11:05)
トントン > やりさん、ありがとうございます。私は主人公に感情移入できるかできないかが評価の大きな分かれ目なので「イッツ〜」はどうしても好きになれなかったんですよ。でも、絲山さんは色んな引き出しがありそうなので、やりさんと同じく他の作品も読んでみたいと思ってます。 (2005/04/14 14:21)