はぴの本棚

2003年からの読書日記

クラバート作者: オトフリート=プロイスラー,ヘルベルト=ホルツィング,中村浩三出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1980/05メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 353回この商品を含むブログ (78件) を見る

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今月の1冊であり、皆さんの評価がけっこう高かったので読んでみました。

不気味で暗い、怖い話というのが読む前のイメージ。
でも、想像以上にとても面白くて、中断するのが惜しいほどでした。
怖い部分もあったけれど、話にどんどん引っ張られて夢中に・・・

友情、恋、死の影、魔法など面白い要素が盛りだくさん。
子どもの時読んだらどう感じただろう?ちょっと惜しい。
大人でも子どもでも楽しめる児童書でした。

物語はドイツが舞台。
著者は、クラバート伝説を下敷きにしているそうです。

クラバートは不思議な夢をきっかけにして、付近から恐れられている荒地の水車場の見習い職人になります。
実はその水車場は魔法の学校でもあったのです。

ここからは内容に触れているのでご注意を!



毎年一人が死ななければならない謎が途中まで分からず、職人たちの気持ちで「怖い」と思いながら読みました。
親方のかわりのいけにえだったんですね。
職人たちがおびえ、喧嘩っ早くなったのは納得でした。

水車場から逃げようとしても親方に見張られていて無理・・・親方と同じ片目の動物が逃げても逃げても追ってくるのは恐怖でした。

新月にやってくる大親分は死のうすで何をひかせていたのか?最後まで何か分からず謎のままだったので不気味でした。
人の骨かも・・・想像するだけで恐ろしいです。

ユーローはクラバートを助ける重要な役割をしますが、なぜ自分で親方に立ち向かわなかったのか?
まぬけなふりをずっとしてきたのは我慢強いし利口だとは思うけれど、毎年一度は自分が死ぬ危険もあったのに・・・
自分を好きになってくれる女の子がいないからというような事を理由にしてたけど、それだけじゃないように思いました。

クラバートはなぜ親方に勝てたのか?失敗したみんなと何が違ったのか?でか帽の正体も気になる・・・
読み終わってもいくつか疑問がわいてきました。

読むまではずっと斜め読みだったので、皆さんのの感想や掲示板を見に行くのが楽しみです。

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ときわ姫 > あのうすの事は、結局謎のままになってしまいましたね。骨だろうことは暗示されてましたが・・・。他の伝説などを知っていたら分かる事なんでしょうか。
ユーローは、私は一番考えが分かるように感じました。観察し、物事を理解して生き抜いて残る人も重要なんでしょうね。根本的な解決にはなりませんけど。 (2004/12/21 16:51)
青子 > トントンさん、完読おめでとうございます。ほんとに謎が多いですよね。でも、謎が多いからそれぞれ想像を駆使して楽しめるってこともあるので一概に善し悪しを決めれないとも思います。
私は、子供の時この本を読んでいたら恐怖が勝ってたんじゃないかなぁと思います。今読んでも、それなりに自分の回りの状況に当てはめながら楽しめました。 (2004/12/21 17:27)
トントン > ときわ姫さん、死のうすは謎のままで終わったからもやもやしてしまったけど、その方がよかったのかもしれませんね。不気味さ増幅ということで・・・
ユーローはまぬけの仮面をつけて耐えてきた強くて賢い人ですね。縁の下の力持ちってこういう人のことだなあと思いました。クラバートはユーローがいなかったら親方に勝てなかったでしょうしね。
青子さんのネタバレ注意を読みたくてうずうずしてたんですよ。死のうすといい、他の謎といい、答えが分からないからこそあれこれ想像するのがいいんでしょうね。読書の醍醐味だと思います。たしかに子どもの時読むと怖いだろうな・・・ (2004/12/22 09:13)
たばぞう > うーん、青子さんの「子供の時この本を読んでいたら恐怖が勝ってたんじゃないかなぁと思います」というのは鋭いですね・・・。私も大人になってから読んで正解だったかな。私もやっぱり臼の中にあった人骨ぽいものは気になっています。怖いよう。 (2004/12/23 14:07)
トントン > たばぞうさん、青子さん言うとおり子どもの頃読んでいたらかなり怖かったでしょうね。死のうす本当に怖い!謎のままで終わってしまったし・・・ゾクゾクっとしました。 (2004/12/24 08:18)