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2003年からの読書日記

アブホーセン―聖賢の絆 (古王国記)作者: ガースニクス,Garth Nix,原田勝出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2004/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る

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『ライラエル』と『アブホーセン』は内容が続いてるので、一気に3冊読めたのはとてもラッキーでした。

サブリエルとタッチストーンはテロに巻き込まれ、行方不明。
ライラエルとサムは邪悪な力に操られた友人ニコラスの救出に出かけます。
ニコラスは悪の破片にほぼ乗っ取られ体調を崩し、ヘッジと共に邪悪なものを掘り出す作業を続けていました。
悪は掘り起こされてしまうのか?
どういう結末が待っているのか最後までハラハラする内容でした。

今回は登場人物一人ひとりの強さがよく見えた気がします。
次期アブホーセンになったライラエルがどんどんたくましく成長していくこと。
ベルをゆるぎなく的確に振ることができるようになり、アブホーセンの役割を自覚し責任を持って果たしていこうとする強さを感じました。

前巻ではかなりイライラさせられたサムが自分の真の役割を知り、ライラエルや友人を救おうと全力を尽くすところにも打たれました。
サムは自分が臆病だと知っているけれど、強さもちゃんと持っていました。

ニコラスも自分の体が蝕まれていく中、最後まで戦い自分の心の声を信じます。

>「いつだって、なにかをしているほうがましなものです」
これは不評の犬のセリフですが、印象に残りました。

たとえ恐怖や不安があっても立ち止まってクヨクヨ考えるよりは何か行動したほうがましだという前向きな感じを受けました。

とても重みのある3部作でしたがとても楽しめました。
訳者あとがきにありましたが、ニクスさんは古王国を舞台にしたものをまた書きたいと思っているようです。
いつ実現するか分かりませんが、楽しみに待ちたいです。



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ときわ姫 > トントンさんの評価もこの最後で5になりましたね。3部作の最後を飾るのにふさわしいラストだったと私も思いました。前の巻でもうちょっと何とか、と思ったサムが成長していった姿は、良かったですね。やっぱり自分にふさわしい役どころにいるのが、大事だってことだろうかと思いました。 (2004/08/01 10:21)
トントン > はい、5です!分厚い3部作だけど手もとに置いておきたくなりました。サムは自分の居場所(やるべき役割)を見つけられて本当によかったと思います。 (2004/08/01 15:14)
たばぞう > 三部作をさくさくと読めて良かったですね。この本、表紙の絵がまた素敵で、装丁もお気に入りです。 (2004/08/07 18:31)
トントン > 一気に読めてラッキーでしたよ。黒っぽい装丁も物語に合っていて素敵でしたね! (2004/08/07 19:48)