はぴの本棚

2003年からの読書日記

童話物語作者: 向山貴彦,宮山香里出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1999/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 75回この商品を含むブログ (16件) を見る

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ビッグ・ファット・キャット』の感想をUPした時にときわ姫さんが教えてくださった向山さんのファンタジーを読んでみました。
すごく面白くてのめり込んでしまいました。
英語の本も分かりやすくて好きだけれど小説もたくさん書いて欲しいです。

主人公は少女ペチカ。
母を幼い頃になくし、教会で働きながら貧しい暮らしをしています。
守頭や子ども達にひどくいじめられ、心まで荒んでいる様子がかわいそうでした。
いじめのシーンがひどくて途中までは読むのが辛くやめようかと思ったくらい。
そこに妖精のフィツが人間を調査するためにやってきてペチカと出会い物語が進んでいきます。

フィツがとにかく可愛くて、読んでいて救われる気持ちになりました。
いじめっ子だったルージャンが後悔して劇的に変わっていくところもよかったです。
でももっと早くペチカの味方になってくれたらよかったのに。

ペチカが故郷の町を出てやっと心を許せる人たちに出会い少しずつ優しくなっていくところもいいなと思いました。
本を読んでよく泣いてしまう私だけれど、この本の最後の方は涙を拭いては読み、読んでは泣き・・・の状態でした。

この本で最も心に残ったのはフィツの言葉。
>変われるってことはいつだって可能性があるってことなんだ。
変われるってことは今日がだめでも、
明日はうまくいくかもしれないってことなんだ。
変われるってことは絶対にあきらめるなってことなんだ!

永遠の世界にいたフィツが地上に来て、死におびえ、命を失うかもしれない不安を知ったからこそ悟ったのだと思います。
「人は誰もが変われる」という言葉は希望があり、前向きでとても好きです。

地図もついていて楽しみながら読めたことや、この世界の独特な時間の区切り方、プレ(午前)、レプ(午後)、ダプレ(深夜)もなかなか面白かったです。
ファンタジー好きな人にぜひおすすめしたいです!

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ときわ姫 > 怒涛の展開でしたよね。すごく面白かったので、他に書いていないのかと気にしていたんですが、あとは英語の本だけなんでしょうかね。もう小説は書かないのかしら。 (2003/09/16 15:04)
咲久羅 > こんにちは。私もこの本で涙涙でした。ペチカの性格が最後までどうも好きになれなかったのに、フィツが本当に素敵で・・・。純粋でこっちまで心が表れるような気がしました。挿絵もなかなか好きでした。 (2003/09/16 18:06)
トントン > ときわ姫さん、こんばんは。本当に面白くて夢中になる話でした!小説書いて欲しいですね。
咲久羅さん、私は途中からペチカがかなり好きになりましたよ。葛藤しつつも少しずつ成長していくところがよかったです。 (2003/09/16 19:18)