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2003年からの読書日記

源氏物語 紫の結び(一)作者: 荻原規子出版社/メーカー: 理論社発売日: 2013/08/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

紫の上を中心に帖(章)を再構成している新しい源氏物語です。
死んだ母に似ているという、父の新しい妃に対する思慕。
山里で源氏は、その妃の面影を持つ少女を垣間みます。
紫の上との出会いでした。

これまで何度も読みたいと思いつつ読み進められなかった『源氏物語
母が揃えている瀬戸内寂聴訳の箱入り『源氏物語』全10巻があるのですが、数年前に最初の巻を読んでからずっと中断・・・

もう読む機会はないかなと諦めかけていましたが、荻原さんの訳で全3巻と短いので今度こそ大丈夫かもと挑戦してみました。
そしたら案外すらすらと読めたし、面白いではありませんか!
はじめにによれば「帚木」「空蝉」「夕顔」「末摘花」を飛ばし、地の文から敬語を取り払い、和歌は意訳ですませているとのこと。


>文章は訳文を基本として、短く切ったり語句を前後に入れ替えたりしましたが、解釈する以上に加えた創作はありません。〜

とあるように、ダイジェスト版とはいえ、挫折の繰り返しだった私にはうれしい達成感(笑)


なぜか主役の光源氏よりも女性達に注目してしまいました。
紫の上、藤壺の宮、桐壺の更衣、葵の上、六条の御息所、源典侍など、それぞれタイプが違って魅力的。
今回は藤壺の宮、六条の御息所、明石の君が印象に残りましたが、読む年齢によって惹かれる女性が変わりそうで楽しみになりました。


これから先は内容をほとんど知らないので、残り2巻もぜひ読まねば。
光源氏の晩年を知り、読了後さらに大きな達成感を得られるといいなと思います。