はぴの本棚

2003年からの読書日記

ムーミン谷の冬 (新装版) (講談社青い鳥文庫)作者: トーベ・ヤンソン,山室静出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/01/15メディア: 文庫この商品を含むブログを見る

雪にうもれたムーミン谷の仲間はみな冬眠中。
青い月の光にてらされて目をさましたムーミントロールは、いままでだれも知らなかった冬の生きものの世界へ……。
トーベ・ヤンソンがえがく極北の自然に生きつづける生命への感動がここに!

巻末エッセイは小林深雪さん。

刊行順関係なく読んでいます。
寒い時期にぴったり。
寝る前にゆっくりゆっくり楽しみました。

普段は冬眠しているはずなのに目覚めてしまったムーミントロール
最初は不安や苛立ちを感じていたものの、だんだん冬を楽しめるようになってきた姿がよかったです。
めそめそ、ご先祖さま、子リス、おしゃまさん、サロメちゃん、トンガリネズミたちなど、初めての登場人物も皆一癖ある生き物ばかり。


特におしゃまさんの言葉に哲学的なものが多く印象に残りました。

>「〜ものごとってものは、みんな、とてもあいまいなものよ。まさにそのことが、わたしを安心させるんだけれどもね。」

最近ますます白か黒かはっきりさせたい風潮になってきているような気がします。
でも、おしゃまさんの言うようにほとんどのことはあいまいで、簡単に分けられるものではないんですよね。
決めつけは怖いこと・・・色々な見方をすることが大事だと改めて思いました。


また、フィンランドの冬の厳しさを感じました。
太陽が出てくる春を待ちわびる気持ちは日本とは比べ物にならないほど強いものなんでしょうね。
オーロラは見てみたいけれど、太陽が昇ってもすぐ沈んでしまう暗さは体験したくない都合のいい私(笑)

春が近づき、目を覚ましたママが風邪をひいてしまったムーミントロールの看病をする場面がお気に入りです。
気を張っていたムーミントロールがやっと安心してぐっすり眠れたところは私までホッとしました。
そして元気になった息子の話を家事の手をとめてちゃんと聞いてやる姿は見習わないと!
母親としてお手本であり憧れの存在です。
シリーズを読むごとにムーミンママが大好きになっています。