はぴの本棚

2003年からの読書日記

アライバル作者: ショーン・タン,小林美幸出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/03/16メディア: 大型本購入: 5人 クリック: 44回この商品を含むブログ (54件) を見る

世界各国多数の賞を受賞、世界中に衝撃を与えたグラフィック・ノヴェル、ついに刊行! 漫画でもコミックでもない、素晴らしいセンス・オブ・ワンダーに満ちた「文字のない本」。

絵本だと思い込んでいましたが、想像していたのとはちょっと違っていました。
文字のない大人のための物語といった感じ。

タイトルのアライバル(arrival)は到着、到達といった意味でしょうか。 

家族と別れて旅立った男性が不思議な世界で色々な体験をしてまた戻ってくる話・・・と説明するだけではこの本の魅力が伝わらないのが残念。
セピア色っぽい感じの絵で一見ちょっと暗めなんだけれど、なぜか強く惹きつけられました。


作者のあとがきより、この本の大部分はさまざまな国や時代の移民の方々の体験談から着想を得ていると書かれていました。
作者の父も1960年にマレーシアから西オーストラリアにやってきた移民だそう。
この物語の主人公の男性は作者の父がモデルなのかなと思いました。


一度読んだだけでは理解できない感じ。
理解する必要はなく感じるだけでいいのかもしれませんが・・・
じっくり何度も眺めて味わいたい物語でした。