はぴの本棚

2003年からの読書日記

冬虫夏草作者: 梨木香歩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (28件) を見る

ここは天に近い場所なのだ——。『家守綺譚』以後を描く、心の冒険の物語。

亡き友の生家の守(もり)を託されている駆け出し文士、綿貫征四郎。行方知れずになって半年余りが経つ愛犬ゴローの目撃情報に基づき、家も原稿もほっぽり出して鈴鹿山中に分け入った綿貫を瞠目させたもの。それは、自然の猛威には抗わぬが背筋を伸ばし、冬には冬を、夏には夏を生きる姿だった。人びとも、人にあらざる者たちも……。


『家守綺譚』がとても好みだったので久々に続編を読むことができてうれしい。
『家守綺譚』を読んだのは2004年7月・・・もう10年近く前になることに驚きました!

その時の感想↓
http://d.hatena.ne.jp/lovelyplace923/20040725


今回の『冬虫夏草』のために再読しようと思っていたのに予約の順番が予想外に早く回ってきてしまい間に合わなかったのが残念。
内容はあまり覚えていなかったけれど、物語の持つ雰囲気や空気感はなんとなく記憶に残っていたので楽しめました。

動くホクロ(笑)に河童や天狗、イワナの夫婦が営むお宿などなんとも不思議なものたちが登場。
それなのにのんびりした時間の流れと空気感に癒される感じがしました。

途中からはゴロー探しの旅に付き添っているような気持ちでドキドキしながら読みました。


>人は与えられた条件のなかで、自分の生を実現していくしかない。

ゴローが見つかるのか最後まで気になったけれど、結末が明るいものでよかったです。