はぴの本棚

2003年からの読書日記

楽園のカンヴァス作者: 原田マハ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/01メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 60回この商品を含むブログ (103件) を見る

それは真っ赤な贋作か、知られざる真作か? 傑作アートミステリー!

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。ルソーの名作『夢』とほとんど同じ構図、同じタッチ。持ち主の富豪は真贋を正しく判定した者に作品を譲ると告げる。好敵手(ライバル)は日本人研究者、早川織絵。リミットは七日間――。カンヴァスに塗り籠められた真実に迫る渾身の長編!



原田マハさん。

ピカソはまあ知っているかな(笑)
でも、アンリ・ルソーは知らないし、表紙の「夢」を見るのは今回が初めて。
キュレーターというのはかろうじて聞いたことがあるくらい。
美術に疎い私には難しいかも・・・と不安に思っていましたが、読み始めると面白くてびっくり。


ルソーを愛する織絵とティムの心の交流がとてもよかった!
時空を超えて登場人物達と一緒に濃い7日間を過ごさせてもらった気分です。
美術関連の小説は敷居が高そうだとなかなか手に取れなかったのがもったいないと思うくらいでした。
こんな私でも夢中になる美術小説を書いて下さった著者の筆力に脱帽です。



意外だったのは美術館の監視員の仕事について書かれた部分。

>監視員は鑑賞者のために存在するのではなく、あくまでも作品と展示環境を守るために存在している。



あとアートは友達で美術館は友達の家というのも素敵だなと思いました。

私にとっては本が友達であり、図書館が友達の家でしょうか。


倉敷には何度か遊びに行ったことがあるのに大原美術館は通り過ぎるばかりでもったいなかったかも。
これからは美術館とももう少し仲良くなりたいと思いました。

原田マハさん、今さらですが要チェック!