はぴの本棚

2003年からの読書日記

ルリユール (一般書)作者: 村山早紀出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2013/10/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る

黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします――。中学生の瑠璃と美しい造本師が繰り広げる、本を愛する人の不思議な物語!


村山早紀さん。
タイトルを見てすぐにいせひでこさんの『ルリユールおじさん』を連想しましたが、また違う魅力の素敵な作品。
謎めいたルリユール職人クラウディアの正体が最後に明かされますが、現実とファンタジーがうまい具合に融合していて私好みでした。


主人公の瑠璃と共に優しい魔法にかけられたような気持ちで本を閉じました。
幸せな読書でした。
特に好きだったのは第三章「黄昏のアルバム」。



本好きにはたまらない文章がたくさんありました。

>「重たいです。でも、重たい分、長くたくさん読めるから幸せです。幸せの重さなんです」


>「たぶん世の中には、我々が思っているよりも、もっとたくさん『嘘』のようなことが起きているのかも知れません。奇跡はふとした瞬間に、起きるものなのかも。もしそれを起こしたいと願う誰かがそこにいて、気づいてくれる誰かが、運よくそこにいたら・・・・・・」


>笑顔や幸せを生み出す、喜びのオルゴール。すべてのものを作るひとの気持ちというのは、そんなものなのかも知れない。誰かに自分の時間と心をこめて作り上げたものを差し出す気持ち。−さあ、どうぞ。


>「〜ひとは生きている本、生きている本がひとなのです。世界に一冊きりしかない、もろくも貴重な存在。失われてはいけない。奪われてはいけない、と皆にいいきかせました。〜」



『宝島』は子どもの頃読んだかな・・・どうだったかな?と思うくらいの記憶しかないのが残念。
改めて読んでみたくなりました。


食いしん坊なので気になる料理もあり満足満足(笑)
レモンバターパスタやカッテージチーズに蜂蜜をかけたフレンチトーストは簡単で美味しそうだったのでぜひ試してみたいです。


村山早紀さん、これからも追いかけていきたい作家の一人になりました。