はぴの本棚

2003年からの読書日記

水の手紙: 群読のために作者: 井上ひさし,萩尾望都出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2013/03/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

2003年10月4日、山形市総合スポーツセンターで行われた「国民文化祭 やまがた・2003」の開会式で初上演されたものの単行本化。
水の大切さを訴える世界各地(ウズベキスタンコロラド川黄河メキシコシティモルジブベネチア、チャド、フランス、チグリス川、ユーフラテス川、アフガニスタン)からの手紙を群読する劇が本になっているので語りかけられている感じがより強い気がしました。


私達の体の60%は水であることは知っていましたが、血液の80パーセント、脳の80パーセントが水であるとは驚きでした。
人間だけでなく、動物も植物も生き物は水なしでは生きられない。
水から生まれた私達は水そのものでみんなつながっているという文章にもハッとしました。


世界の水事情も色々書かれていました。
水に恵まれた星だけれど、地球には決まった量の水しかないこと。
水は地球を循環して(リサイクルされて)いるということ。
そんな中、今流れている福島第一原発の汚染水漏れのニュースは世界に大きく影響する深刻な問題だと暗い気持ちになりました。


今年は特に雨が少なく既に取水制限も始まっている地域に暮らす自分・・・
そんな時に読めたのもいいタイミングだったのかも。
節水意識はもちろん、蛇口をひねれば水が普通に出るありがたさを日々感じながら大切に使わなければと思いました。


小学生でも読めるようにルビをふってくれているので、たくさんの子ども達に読んでほしいです。
萩尾望都さんのイラストが本の魅力をより高めていてとても素敵でした。


井上ひさしさんの本はずっと気になりつつ読んだのは今回が初めて。
これからもっと手に取りたいと思います。