はぴの本棚

2003年からの読書日記

横道世之介作者: 吉田修一出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2009/09/16メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 149回この商品を含むブログ (122件) を見る

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なんとも変わった主人公の名前がタイトル。
彼が大学に入学してからの一年間が綴られています。

世之介は井原西鶴の『好色一代男』の主人公と同じ名前だそうですが、ちらりと聞いたことくらいしかなく。
ちょっと読んでみたい気がします(笑)



のほほんとした感じの軽い大学生の物語だと思って読み始めましたが、いい意味で予想を裏切られました。
世之介の性格が最初は苦手だったけれど、だんだん好きになってきたのは不思議。


大学時代に世之介に出会った人々の後日談が後半になるにつれてじんわり沁みてきます。
皆それぞれに大人になって自分の人生を頑張って生きているんだなと思いました。
想像以上に奥が深く楽しめました。


絶望より希望を撮り続けた世之介・・・穏やかな気持ちで本を閉じることができました。