はぴの本棚

2003年からの読書日記

ピスタチオ作者: 梨木香歩出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (35件) を見る

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梨木さんの小説の舞台がアフリカ?
なんとなく違和感があったんですが読み始めるとやっぱり梨木ワールド。
堪能しました。


正直難しかったです。
「ダバ」「ジンナジュ」これらの耳慣れない言葉にまず混乱。
さらさらと読めるのになかなか咀嚼できない感じがしました。


最初は、日本が舞台。
文章を書いて生計を立てている女性棚の日常が描かれます。
知人片山海里の本に書かれてある「ダバ」という症状が愛犬マースの病気と関連があるように思った彼女は取材旅行で導かれるようにアフリカへ。


日本とアフリカ、全然違う国、自然、人々・・・
アフリカの場面に入ると小説の雰囲気がパーッと変わるのがすごい。
生と死がより近づいて空気も濃密になった気がしました。


たびたび登場する渡り鳥や鳥のエピソードが印象に残ります。
カラスは世界でも不吉だとか言われるようですが、どうなんだろう?
渡り鳥はこの世とあの世をつなぐイメージもあります。




>人との出会いって、場によって変化する万華鏡のようなものだ、


>死者には、それを抱いて眠るための物語が必要



最後、棚の書いた物語「ピスタチオ―死者の眠りのために」もよかったです。



梨木さんの物語はどこへ進んでいくんだろう?
一度読んだだけで理解するのは難しいのかもしれません。
でもこういう世界は嫌いじゃない(笑)
これからもついて行きます。