はぴの本棚

2003年からの読書日記

第二音楽室―School and Music作者: 佐藤多佳子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/11/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (31件) を見る

(525)
「第二音楽室」「デュエット」「FOUR」「裸樹」の4作品が収められています。
School and Musicとあるようにどの作品も学校で音楽に打ち込む女子が主人公です。
年代はそれぞれ2005年、1993年、1988年、2009年とバラバラでリンクはしていないんですが、とても楽しめました。


著者の『一瞬の風になれ』はとても好きな作品だけれど、スポーツが苦手な私はただただ主人公達の青春がうらやましいと思い外から眺める気持ちが強かったです。
少し寂しい、いや悔しいかな?そんな複雑な感情もありました。


だから自分が好きな音楽がテーマの今回の作品は待ってました!という感じ。
私自身、小学校から合唱に親しんでいたこと、高校、大学と合唱部に入っていたのでハーモニーの素晴らしさや音楽に浸る幸福感などはとてもよく分かる!
物語により感情移入できた気がしました。


どれもよかったけれど一番のお気に入りは「FOUR」
期間限定のグループって切ないけれどその時しか出せない空気ってあるんですよね。

4つの物語それぞれに音楽に熱中していた当時の自分と重なる部分がありじんわり感動しました。


最後の「裸樹」は特にそうだけど、音楽に救われた経験はこれまで何度もありました。
仕事で落ち込んだ帰り道、お気に入りのCDを聴いて泣きながら運転したこともあったっけ。
今考えると見た人はギョッとしただろうし、危ないんですが(笑)
音楽の持つ力って大きい!


でも、音楽に限らずたくさんの人が何かで心を支えながら日々暮らしているんですよね。
私にとってはそれが音楽であり読書であり・・・


ちょっと後に発売された『聖夜』もSchool and musicシリーズとのこと。
読むのが楽しみです。