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2003年からの読書日記

富士日記〈上〉 (中公文庫)作者: 武田百合子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/04/18メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 84回この商品を含むブログ (171件) を見る

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ずっと読みたいと思いながら手に取れなかった本。
この上巻は昭和39年7月〜41年9月までの日記が収められています。
著者の武田百合子さんは大正14年(1925)生まれなので40歳前後に書かれたもの。
一気に読むタイプの本ではないような気がしたので、家事の合間など細切れ時間を使ってゆっくり少しずつ読みました。

著者の時にハッとさせられる独特の文章、はっきりした物言い、感情表現の豊かなところがとても魅力的。
書いているご本人はそう思っていないのかもしれませんが、とても面白かったです。
東京と山小屋を往復する日々は季節の移ろいや地元の人達との交流などがあり飽きずに楽しめました。


魔法水筒、もんぺ、写真機など時代が感じられる表現もたくさんありましたが、それも味。
購入したものの金額も書いているといい記録になるんですね。


さらっと書かれている朝・昼・夜のメニューも美味しそうでした。
レシピも写真もないのに想像力を刺激されます。
同じ時期のメニューを参考にして作ってみたくなりそうです。


この本に影響されたわけではないんですが、ずいぶん前に挫折した10年日記を来年から再挑戦する予定です。
武田百合子さんみたいには書けないだろうけど、楽しく続けたいと思っています。